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世間では「中性脂肪=悪」というイメージが定着していますが、そもそも中性脂肪とは何なのか?そして何故溜まってしまうのでしょう?

中性脂肪の基礎知識から中性脂肪を減らす為に、誰もが気になる効果的な運動と食生活についてご紹介させていただきたいと思います!

中性脂肪値の基準値は?

皆さんも中性脂肪を調べているかと思いますので、まずは中性脂肪値についてご紹介します。
中性脂肪の値はどこまでが正常で、どこからリスクが懸念されるのかを見てみましょう!
中性脂肪の基準値
中性脂肪は少なければ少ないほど良いというわけではありあません。
正常値内に収まる事が最も大切です!

ここから中性脂肪をより詳しく解説する前に、そもそも脂質って何?という疑問を解消しましょう。

中性脂肪の前に脂質を知ろう!

中性脂肪を減らしたいと思ったら、脂肪にも様々な形がありますので、種類から見てみましょう!

皆さんが健康診断を受けた時、検査の値に中性脂肪やコレステロール項目があるかと思います。良く耳にするこれらのワードですが、中性脂肪ってなに?コレステロールってなに?と聞かれてしっかりと答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか?

〜体内で重要な働きをする4つの脂質〜
4種の脂質:脂肪酸、中性脂肪、コレステロール、リン脂質
図にあるのは「体内で需要な働きをする4種類の脂質」です。身体を作り、エネルギー源になり、生理機能に関係したりと、とても重要な働きをしている事がわかります。

脂質の過剰なカットは危険!脂質不足の影響
    脂質を単に減らしただけでは中性脂肪値は下がりません。
    脂肪と聞くと世間では悪い面ばかりが取り上げられる事が多く、中には過剰なまでに脂質をカットする方もいます。脂質が不足する事はダイエット以前の問題で身体の各所に様々な悪影響を及ぼします。以下の様な症状の方は脂質が足りていないかもしれません。

  • シワや乾燥、ニキビ、肌荒れなど肌の状態が悪くなる
  • 免疫力が落ちて風邪等の病気にかかりやすくなる
  • ホルモン異常が起き、生理不順等のトラブルが起きる
  • 体力が低下してすぐに疲れる
  • 血管がもろくなり切れやすくなる
  • 新陳代謝の低下(老化の促進)

その他にも、脳の主要成分で神経伝達にも関係しているので頭の回転が遅くなったりと脳への影響が出てくるという報告もあります。
脂質とは生きて行く上で絶対に欠かす事ができない重要な栄養素です。むやみやたらに敵視せずに、上手に付き合う方法を知りましょう!確かに脂質をカットし、摂取するエネルギーを抑えれば体重は落ちる事はありえます。
しかし、それは綺麗になるのではなく、病気になりやすく、肌も荒れ、どんどん老けて行くという事に直結します。

中性脂肪の付き合う為に

中性脂肪と上手に付き合うために、中性脂肪の重要性と溜まる理由、インスリン・血糖値との関係をご紹介します。
〜中性脂肪は意外と重要?〜
上記の図にもありますが、中性脂肪はエネルギー源としての役割を持っています。糖質とたんぱく質は1gで4kcalですが、脂質(中性脂肪)は1gで9kcalと効率の良いエネルギー源なのです。
一般的にエネルギーの摂取源のバランスの中で、最も多くの比重を占めるのは「糖質」で、1日のエネルギーの50%〜70%を糖質から摂る事が理想と言われています。

最も摂取比率が高い糖質ですが、人間の身体に蓄えられる糖質の量はたったの300〜500gだけです。
もし糖質と脂質で同じ量のエネルギーを蓄えようとした場合、糖質は脂質の倍以上の量が必要となり、効率的ではありません。
その為、身体は消化・吸収しやすい糖質を多く食べて、過剰な分を重さあたり2倍以上のエネルギーを持つ脂肪として蓄える事で、軽くて多くのエネルギーを貯蔵できるようになっているのです。
中性脂肪はもしもの時のためにすぐに使えるエネルギーの貯蔵庫的な役割を担っています。

中性脂肪がないということは、体内にエネルギーが貯蔵されていないという事と同じです。つまり、「血中に糖質が不足した際に、エネルギーが補えない状態」というわけです。

〜中性脂肪が溜まる理由〜
「中性脂肪が気になるから脂質の摂取に気をつけよう」この考えは確かに間違ってはいませんが正解でもありません。
ではとういった時に中性脂肪が溜まるのでしょうか?
中性脂肪が溜まる理由には様々な要因がありますが、最も大きな原因は摂取したエネルギーが「消費量<摂取量」になってしまっている事です。
人間の身体には、摂取したエネルギーの中で使い切れなかった分を脂肪として蓄える働きがあり、それは糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養全てで起こります。いくら脂質を抑えた所で、糖質やたんぱく質を消費量より過剰に摂取していれば中性脂肪は増えていきます。

インスリンという名の肥満ホルモン
もう一つの原因として最近注目されているのが、インスリンというホルモンの存在です。食事をした際に血糖値が上昇しますが、増えた血糖を各臓器に取り込ませる事によって血糖値を下げる働きを担うのがインスリンです。
血糖値を正常に保つ為に欠かす事ができないインスリンですが、反面、中性脂肪を蓄える働きを持つLPLという物質を活性化させる働きに加え、更に血糖を脂肪細胞に取り込み中性脂肪へと合成し蓄える働きも持ち合わせます。
つまりインスリンが分泌される事で中性脂肪が更に溜まりやすくなるのです。

インスリンと血糖値の関係については過去にも詳しい解説と血糖値をコントロールするために大切な生活習慣をご紹介しています。
血糖値が気になる方へ!生活習慣や血糖値と食べ物・ダイエットの関係

本記事では詳細は避けますが、血糖値の急上昇を招く食生活はインスリンの過剰な分泌を促し、中性脂肪を溜め込みやすくなると言う点を覚えていただければと思います。

  • カロリーが消費量<摂取量になってしまっている
  • 糖質・脂質・たんぱく質すべてが中性脂肪になる
  • インスリンが中性脂肪の合成を促進する
  • 糖質は特にインスリンを分泌させやすい
  • 過度な減量、エネルギー不足は中性脂肪を貯めやすくする

この5つのポイントはぜひ覚えておいて下さい!
これを踏まえてどうしたら中性脂肪を減らせるのか考えて見ましょう。

脂質(油)を避けるだけでは意味が無い!

中性脂肪を減らそうとしてまず考えるのが「脂質を摂らないようにしよう!」という事では無いでしょうか?
上記のポイントにもありますが中性脂肪に変わるのは脂質だけではありません。摂取して使い切れなかったエネルギーは基本的に中性脂肪に変換されて貯蔵されてしまいます。脂質を避けるのではなく、当たり前の事ですがエネルギーを摂りすぎない事が大事なのです。
そして脂質を過剰にカットする事は中性脂肪を減らすどころか、色々な悪影響に繋がります。
脂質は身体を作る上で絶対に欠かす事が出来ない役割を担っています。脂質が不足して起きる悪影響を見てみましょう。

中性脂肪を減らしたいのならインスリン分泌を抑えよ!

色々な食事方法がありますが、何かを過剰にカットする事はメリットの反面デメリットも大きい場合が多くあります。しかし、ただバランスよく食べているだけでは効率的とは言えないでしょう。
ではどうすればよいのか?その鍵はインスリンの過剰分泌を抑える事にあります!
インスリンは肥満ホルモンと呼ばれる事もあるほど肥満と関係が深いホルモンです。インスリンの働きの中には中性脂肪を貯め込みやすく、且つ分解させにくくする効果があります。
インスリンの過剰分泌を防ぐ事で中性脂肪が蓄積しにくくなり、結果的に中性脂肪を減らす事へと繋がるのです。
インスリンについての詳細や過剰分泌を抑える方法は「低インシュリンダイエットの効果とは?〜低GIな食材を意識するだけでは効果は薄い」を参照して下さい!

有酸素運動の意外な落とし穴!?効果的な運動方法とは?

中性脂肪を減らす事に限らず、ダイエットには有酸素運動が有効とされています。確かに有酸素運動を行う事によって脂肪がエネルギー源として利用される事を始め、血流の活性化やインスリンの感受性を高めたりと有効である事には間違いありません。
しかし、有酸素運動だけをしていれば良いというわけではなく、意外な落とし穴があるのです。

有酸素運動と筋肉の関係
有酸素運動に対して一般的に挙げられるネガティブな点は、有酸素運動によって筋肉量が減少する、若しくは筋肉が付きにくくなるという事です。かなり極端な表現の仕方ではありますが、条件がそろうと筋肉量の減少に繋がると言われています。
その前提として、ダイエット中の食事制限や空腹時の有酸素運動があります。
長くなってしまうので詳しい説明は省きますが、食事制限ダイエットなどによってエネルギーが不足していたり、空腹の時は体内の糖質が少なくなっている状態で有酸素運動を行うと筋肉が身体が筋肉をエネルギーとして利用する為に分解し始めてしまうのです。
もちろん分解の量は多くありませんが、繰り返し行う事で徐々に筋肉量が減少する恐れがあります。
有酸素運動を行う際には過度な食事制限は禁物です。
有酸素運動+筋トレが有効!
良く見かける主張として、筋トレを行い筋肉量を増加させる事で基礎代謝を向上させるという物がありあますが、筋肉量による基礎代謝の向上など微々たる物で誤差の範囲といってしまえる程度です。なのですが、日々の生活におけるエネルギー消費量の向上は期待できます。むしろこちらが本命です。
筋トレによる筋肉量アップで日々の消費エネルギーを上げ、さらに有酸素運動で消費させる。この方法が最も効率的と言えます!

中性脂肪とコレステロールってなに?

健康診断などの結果で中性脂肪値とセットで出てくる「コレステロール値」。

「中性脂肪とコレステロールってなに?」と質問されてしっかりと答えられる人は少ないのではないのでしょうか?
この二つはどちらも脂質の1種でそれぞれ生きて行く上で欠かす事の出来ない重要な役割を担っています。
4種の脂質:脂肪酸、中性脂肪、コレステロール、リン脂質
ネガティブなイメージの強い中性脂肪とコレステロールですが、図を見て分かるようにかなり重要な働きをしています。過剰はもちろん良く有りませんが、必要以上に排除し、不足してしまってもいけないのです。

コレステロールと中性脂肪の働きは?

中性脂肪の詳細いについては詳細は「中性脂肪の基礎知識〜中性脂肪の基準値や増える原因など〜」を参照してみて下さい!

それではもう少し詳しくコレステロールの働きを見てみましょう!

コレステロールの働きとは?
  • 細胞膜の構成材料
  • 人間の身体は60兆個にものぼる細胞によって構成されていますが、この細胞を包む細胞膜を構成する成分として欠かせない物質がコレステロールです。つまりコレステロールは私たちの全身隅々に渡って存在しています。

  • 情報伝達に関わる
  • 特に脳や神経系に多く存在していて、脳から体の各部への情報伝達に関わっています。

  • ホルモンの原料
  • 性ホルモンや副腎皮質ホルモンの原料となっています。性ホルモンは性機能に関与し、副腎皮質ホルモンは炎症抑制やたんぱく質・糖質の代謝に関与しています。

  • 胆汁酸の材料
  • 脂肪の消化・吸収に関与する胆汁酸の材料となります。一度働いた胆汁酸は吸収され、再び胆汁酸として働きます。

  • ビタミンDの材料
  • 皮膚に紫外線を当てると「コレステロール」を原材料にしながら活性型のビタミンDが作られます。

コレステロールが不足すると?

上記の様に様々な働きをしているコレステロールですが、不足する事で起きる悪影響を見て行きましょう。

・細胞膜が弱くなり、血管がもろくなる。結果、脳出血による脳卒中のリスクが高まる
神経伝達に支障がでたり、鬱病にも関係していると言われている
免疫力が低下する
筋肉の収縮に異常が出る
活性酸素増加による老化の促進
この他にも色々な悪栄養が起こると言われています。過剰症については知る機会も多いと思いますので割愛させていただきます。

HDLとLDL

よく耳にするHDL・LDLについて見てみましょう。
脂質は単体だと血液中に安定して存在する事ができません。その為、たんぱく質と結合して、リポ蛋白質という形で血液に乗って運搬されていきます。
リポ蛋白質は主に「中性脂肪」と「コレステロール」で構成されていて、粒子の大きさ、比重の違いにより種類が分けられます。

−LDL(低比重リポタンパク)−
LDLは世間では悪玉コレステロールとも呼ばれていますが、とても重要な働きを担っています。LDLは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割をしているのです。
重要な働きをしてくれるLDLですが、悪玉と呼ばれネガティブなイメージが付いてしまっている理由は以下の通りです。
LDLが過剰状態になり血液中に長時間滞在した際、活性酸素によって酸化され、酸化LDLヘと変成してしまいます。酸化LDLは血管壁や血管内皮細胞を傷つけ、動脈硬化や血栓形成を引き起こすと言われています。その他に、酸化LDLはマクロファージという白血球の1種に取り込まれ、泡沫細胞(中がドロドロした状態のかたまりの元)となり、血管の壁に沈着することで、動脈硬化を悪化させるとも言われています。
これらの理由からLDLは悪玉コレステロールと呼ばれ倦厭されています。

-HDL(高比重リポタンパク)-
HDLは余ったコレステロールや、血管内皮に蓄積したコレステロールの掃除を行ってくれる働きがあると言われています。また、抗炎症作用を持ち、動脈硬化の抑制効果があるので善玉コレステロールと呼ばれています。

LDL・HDL・中性脂肪の関係性

それではLDL・HDL・中性脂肪の関係を見ていきます。
基本的に中性脂肪を過剰摂取した場合、LDLの量が増加し、反対にHDLの量が減少してしまいます。
中性脂肪は体内に吸収される時に一度分解され肝臓で合成されますが、その際、中性脂肪単体として合成されず、コレステロールを一緒に含んだVLDLという物質として合成されます。
このVLDLはLDLの元になる物質で、結果中性脂肪を取りすぎるとLDLが増える事になるのです。
加えて血中の中性脂肪濃度が上昇すると、HDL内の中性脂肪が増加してしまい、追い出されて減少する事や、HDL・LDLの材料であるアポタンパク質がLDL合成に取られ、HDL合成の減少が引き起こされるのです。

食事とコレステロールの関係

「コレステロール値が気になるから食べ物からのコレステロール摂取をひかえよう」と考える方も多いかと思います。
しかし、体内のコレステロール総量の内、8割は体内で合成され、食事由来の物は2割にしかすぎません。また、コレステロールには恒常性があり、食事からの摂取量が増えると体内合成が抑制されるので、総量はある程度一定に保たれます。
そもそもコレステロールは糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素を材料に合成されてしまうのです。
加えてアメリカでは、政府の「食生活ガイドライン諮問委員会」が2015年2月に「コレステロールの摂取制限は必要ない」と発表しました。
食事によるコレステロール摂取制限にはあまり意味が無いといえるでしょう。

如何でしたでしょうか?
一般的に思い浮かべる安易な方法は逆効果な場合が多くあります。しっかりとした情報を知って、効果的な食事・運動を行ってみて下さい!

<著者プロフィール>
鵜沼 拓也

武蔵野調理師専門学校卒業。
在学中に第26回調理師技術コンクール全国大会に出場、Concour de Meilleur Commis de Service 3位入賞等の成績を残す。
卒業後、ミシュランの星を獲得するレストラン2店舗を含め多くのレストランを経営する株式会社AFJに就職。
品川の店舗にて修行を行う。
しかし、腰椎分離症により立ち仕事が困難となり現場より離れる。
その後、株式会社CORE N’ CODE代表の早稲田氏の元でリコンディショニングを行い回復する。
現在は株式会社CORE N’ CODEのスタッフとして、調理師、ジュニア野菜ソムリエ、ジュニアアスリートフードマイスターの資格で得た知識を活かし、活動を行う。
最近では様々な農家の方々や福祉農園とも交流持ち、食に対してトータル的にアプローチを行っている。
食の優先順位を変えるべく、食の持つ可能性を引き出し、価値観を変えて行く事を理念としている。

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