腰回りの体幹筋である、腸腰筋という筋肉の名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?

腰回り周辺の体幹筋で、短距離選手などスポーツ選手がパフォーマンス向上に大切な働きをする筋肉として認識されている他、一般の方ですと腰痛の改善のために行うストレッチなどでその筋肉名を知った方も多いかもしれません。

当サイトでも何度かこの腸腰筋のストレッチ方法をご紹介してきました。(主に腰痛の緩和やぎっくり腰の予防の目的で行うストレッチ方法)

特にデスクワーク時間が長い方などはこの筋肉が凝り固まりやすく腰痛の原因となってしまっていることも多くあります。

今回は日頃運動をあまり行わない方にとっても大切な体幹筋の腸腰筋( 大腰筋・腸骨筋 )の鍛え方をご紹介します。もし腰に不安などを感じて、「鍛えるよりもまずはストレッチ!」、とお考えの方は本記事の最後にストレッチ方法の記事へのリンクを載せていますので参考にしてみてください。

腸腰筋( 大腰筋と腸骨筋 )の図解・鍛える効果

腸腰筋( 大腰筋と腸骨筋 )の図解

図のように腰椎(腰の骨)と大腿骨(太ももの骨)を繋ぐ筋肉を指す総称が「大腰筋」です。

腸腰筋の働きと分類
    腸腰筋は「大腰筋」及び「腸骨筋」を総称した名称です。それぞれの働きを記載しますと以下のようになります。

  • 大腰筋
  • 腰椎から太ももの付け根へと伸びる筋肉で「太ももを前へと引き上げる運動」や「股関節を前後に動かす運動」、「背骨や骨盤を支える働き」があります。大腰筋を鍛えるメリットなどは近年スプリント選手の大腰筋の太さが注目されるなどで話題になっています。

  • 腸骨筋
  • 骨盤を支え、骨盤の傾きを調整する役割を果たします。

  • 腸腰筋
  • 腸腰筋はボールを蹴る動作や走る動作の際に使われ、骨盤の前傾に関わる筋肉です。

これらの筋肉は酷使することで、腰痛の原因になることもあります。
定期的にこの周辺の筋肉を鍛えている、もしくは鍛えられるような運動を行なっているにもかかわらず、腰の痛みなどを感じる方は酷使のし過ぎの可能性があります。そのような場合は筋トレ以前にストレッチなどで痛みの緩和を優先しましょう。

また、腸腰筋の解説で「骨盤の前傾に関わる」と記載しましたが、後傾に関わる筋肉には大殿筋やハムストリングスがあります。本記事では腸腰筋を中心とした筋トレ方法をご紹介しますが、該当箇所ばかりを極端に鍛えることは骨格の歪みを生じる原因となります。バランスの良いトレーニングを心がけましょう。

腸腰筋はヒトの立つ、歩く、走るといった日頃から常に必要とする動きに使われる筋肉です。

そのため、基本的な動作やウォーキングなどでも鍛えることが可能です。

逆に弱ってしまうことで、歩行がおぼつかなくなる、骨盤がゆがむなどの弊害があります。スポーツに取り組む方から、老若男女鍛えておきたい箇所だと言えます。

腸腰筋を鍛える体幹トレーニング

それでは腸腰筋を鍛える体幹トレーニングのやり方をご紹介します。

このエクササイズは腸腰筋の他、お腹周りの筋肉(腹直筋や腹斜筋)も同時に鍛えることが出来るのでデスクワーカーに最適な運動不足を解消しながらお腹のダイエットにも役立つ体幹トレーニングです。
腸腰筋を鍛える体幹トレーニング
片足立ちになることからバランス感覚も養われ、体幹を支える力の強化に役立ちます。

本トレーニングに余裕を感じる方は3番の膝と肘をくっつけた状態で10秒ほどキープして、セット数を増やしてみましょう。

ランジで腸腰筋を鍛える

ランジは下半身強化を特別な器具やスペースを用いること無く鍛えることができ、腸腰筋も鍛えることのできるエクササイズ方法です。
ランジ

一般的な実践方法からサイドランジやウォーキングらんじなど様々なバリエーションをご紹介していますので、以下をご参照ください。

ランジの色々:お好みのランジで下半身強化!

ニートゥチェストで腸腰筋を鍛える

ニートゥチェストも腹筋とともに腸腰筋を鍛えることのできる体幹トレーニングの一つです。
注意点は太ももの筋肉を使って足を引きつけるのではなく、お腹の筋肉を使って引きつけるように意識することで、腹直筋や腸腰筋を鍛える効果が高まります。

◆椅子に座ったままニートゥチェスト

腰痛が気になる方向けの筋トレは以下を参考にしてみてください。
筋トレで腰痛を改善する方法~インナーマッスルの強化がカギ!

もし腰に痛みなどを感じていて、筋トレをする前にストレッチなどで状態を緩和したいとお考えの方はプロのフィットネストレーナーが腰回りの筋肉をほぐして、腰痛などを改善するための方法が解説されている以下の記事を参考にしてみてください。
腰の痛みやこりを緩和する腰痛改善ストレッチの方法

腸腰筋や腰など以外の体幹トレーニングの方法は以下のまとめ記事をご覧ください!

体幹トレーニングの方法や効果をどこよりも詳しく解説!

人体の奥底にある見えない筋肉。大腰筋

人体の奥底にあります。大腿四頭筋といってわかりやすい筋肉とは違い、体内に埋め込まれています。では、まず始めに大腰筋がどこにあるのか、さっと動画で見てみましょう。

皆さん、大腰筋がどの位置にあってどのような形をしているかビジュアルで掴めましたでしょうか?この大腰筋がどのような働きをするのか。これからご説明していきたいと思います。

大腰筋に関する解説は軽めに触れただけですので、もう少し掘り下げて解説し地と思います。

大腰筋の機能と解剖学

大腰筋はT12-L5の椎体側面とそれらの間の椎間円板の側面深層が起始となっていて、大腿骨の小転子に停止します。簡単にいうと、みぞおちあたりの背骨から出ていて、太ももの骨の股関節の付け根の内側についています。
大腰筋が収縮すると、股関節を屈曲してわずかに外旋させる働きがあります。さらに、立位で足が地面に接地して固定されている状態(Closed Chain)では、腰椎を側屈させる働きも実はあります。

一例として運動習慣がある70代と運動習慣のない70代の大腰筋の太さを比較した断面図をご紹介します。

大腰筋は太ももを持ち上げる際などに使われるため、大腰筋が弱ることで歩行などに影響が出やすい筋肉と言えます。

この大腰筋が世間から注目された一つの理由として、アサファ・パウエル選手という陸上で100m 9.72秒という記録を叩きだした選手の大腰筋がとても太く、身体の中心を占領していることが2008年ごろのテレビ番組で特集されたことをきっかけに大腰筋と運動能力の関係について注目される様になりました。

日本人選手の為末選手もやはり大腰筋が発達しているのですが、アサファ・パウエル選手に比べると細く、この大腰筋こそが日本人選手と外国人選手の能力を分ける大きなポイントかもしれません。

著作権の兼ね合いから画像を直接引用し辛い状態でしたので、Googleの画像検索のリンクを載せますので、気になる方はこちらからどうぞ!

大腰筋を鍛えるメリット

大腰筋は股関節を屈曲させる働きがあると述べましたが、実は股関節を屈曲させるということよりも、過伸展された股関節を引き戻すのが得意と言った方がいいかもしれません。筋肉は伸長反射という性質を持っていて、筋肉が急激に引き伸ばされた時に縮もうとする反射の性質があり、股関節が過伸展することで大腰筋が一瞬で引き伸ばされ、その反射で急激に縮みます。

この動作がスプリント時などの急激な股関節の屈曲に繋がりますので、大腰筋が発達している選手は足が速いと言えます。足がどんどん前に出るからですね。そういう意味では水泳にもとても必要な筋肉です。バタ足をするときは股関節が過伸展するので、大腰筋の働きで股関節を屈曲に持っていきます。水泳をしている方にも大腰筋を鍛えるのはオススメです。

大腰筋が硬くなってしまうデメリットとは?

大腰筋を鍛えるといいことだけではありません。鍛えると悪いというよりは、鍛えてストレッチやメンテナンスを行わないでしまうデメリットといったほうがいいですね。
大腰筋が硬くなってしまうと私は大きく分けて二通りの事が起きてしまうと思っています。
①反り腰に寄る腰痛
②骨盤後傾による猫背や首痛等

大腰筋が収縮したまま固まってしまうことでこれらの事が直接的に起こると考えれます。もちろん、身体の中心ですから、派生して様々な症状が出てしまう可能性もあるでしょう。

大腰筋は見えないけども侮れない

このように大腰筋には実は身体能力を根本的にパワーアップさせる能力(走る、跳ぶ)をもっていますが、身体の中心にある太い筋肉なだけに疲労がたまったり固まってしまうと怪我をするリスクが出てきます。大腰筋は姿勢にも大きく関わっていますから、大腰筋の良し悪しで大きく身体が変わってきてしまいます。是非、見えない筋肉ですが自分の大腰筋について考えて見て下さい。

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