野球肩。特に投球数の多いピッチャーに多く見られる怪我ですが、多くは疲労や肩の酷使による関節唇(関節のクッションの役割を果たす軟骨)損傷が原因です。学生スポーツは練習量が多すぎることで議論が良く持ち上がりますが、野球肩を予防するには適切な練習量と肩周りの筋肉のケアが必要です。今回は野球肩を予防するためのストレッチを皆さんにご紹介していきたいと思います。

野球肩を予防するために伸ばす筋肉とは?

野球肩は関節唇の損傷が主な原因と先程お話しました。私たちの肩周りには多くの筋肉が交錯しており、その筋肉が固くなっていくと上腕骨頭と関節窩(腕の骨の丸い部分と、凹んだ部分)が適切な隙間の幅ではなくなっていきます。すると肩を回したときに、クッションの役割である関節唇が潰されたり、引っかかったりとダメージが蓄積されていきます。

ローテーターカフという筋肉をストレッチすることでそのクッションの過剰な摩耗やダメージを軽減することが出来ます。

  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 小円筋
ローテーターカフ:棘上筋・棘下筋・小円筋

これら3つの筋肉をまず柔軟に保つ必要があります。また、その他にも三角筋、前鋸筋、僧帽筋、菱形筋、そして上腕二頭筋も関わってきます。これらの筋肉をしっかりとストレッチしていきましょう。

野球肩を予防するストレッチ方法

①ローテーターカフのストレッチ
1)伸ばしたい方の肩を下にして、横に寝転びましょう。膝は少し曲げておくと次の動作のバランスが取りやすくなります
2)肘と肩を約90°に曲げた状態で反対の手で手首を軽くつかみます
野球肩の予防に役立つストレッチ
3)ゆっくりと手首を地面に近づけていくようにしながら、腕を倒していきましょう
野球肩の予防に役立つストレッチ2

②上体ツイストストレッチ
胸周りから肩の前部を伸ばすストレッチです。腰のストレッチではないので、腰椎から捻るような動作は禁物です。
1)横に寝て、上にある足を曲げてクロスさせます
2)ゆっくりと両上体を足を曲げた方向とは逆に開いていきましょう
胸周りから肩の前部を伸ばすストレッチで野球肩の予防
3)肋周辺、胸、肩の前部などがストレッチされるはずですので、そのエリアがストレッチ出来たと感じたら反対側も同様に行います。

③肩周りを一気に伸ばすディップスストレッチ
三角筋、上腕二頭筋、ローテーターカフ、肩甲骨の周りの筋肉が一気にストレッチ出来るストレッチです。
1)椅子や台など高さのある場所を見つけましょう
2)椅子に背を向けて背筋を伸ばし、両手をのせます。
3)手と手が内側を向くようにしたら、胸を出来るだけ前に突き出すようにして胸を張りましょう。
4)ゆっくりと下へ沈んでいき、肘が外を開くようにしながら伸びを感じます。
ディップスストレッチで野球肩の予防
5)もっと下がったら体幹部が曲がってしまう(背中が丸まってしまう)と感じるところまで来たらそこでストップです。

野球肩を予防するストレッチ

野球肩を予防するには日々のメンテナンスがとても重要です。肩は色々な動きが出来る可動域の大きい関節なだけに、筋バランスが崩れるとダメージが起きやすい関節です。鍛えるのも必要ですが、日々ストレッチをして硬化した場所を緩めていくこともとても大切な事です。是非、日常的に続けて見てくださいね。

<著者プロフィール>

今田悠太

ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから“RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。

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