ブルガリアンスクワットは効果的だが負荷が高い。正しいフォームの身につけ方

2018年7月11日

ブルガリアンスクワットはお尻、太もも、背中、そしてスポーツしている方はスポーツパフォーマンスまでアップするとても優れた種目です。ただし、強度が高い種目であることも事実。トレーニング未経験の方や、運動をしていない時期がかなり続いてしまった方がいきなり始めてしまうと、膝を痛めてしまう可能性があります。

今回はとっても効果的なブルガリアンスクワットで怪我をしないようにするために段階をおってステップアップするための方法や正しいフォームの身につけ方をご紹介しますので是非参考にしてみてください。

片足トレーニングのメリット

私が過去にご提供した記事で、ブルガリアンスクワットと同じく片足で実践するトレーニング方法として、『片足スクワット』があります。
片足スクワットの効果とやり方・回数・対象となる人
そちらでも記載をしましたが、私達の『歩く・走るなどの動作』は、片足立ちを交互に行っている側面があります
ランニングなどは片足立ちになっているため、片足のトレーニングは有益
そのため、十分な筋力が身についている人にとって、片足でのトレーニングは有益です。特に今回ご紹介するブルガリアンスクワットは、不安定な状態になるため、体幹部の安定性が必要ですし、安定性を高めるトレーニングとして最適です。

片足トレーニングを行う前提は怪我をしないことであり、そのためには
  • 正しいフォーム
  • 十分な筋力
を必要とします。

そこで本記事では、まずは基礎的な筋力を身につけるための方法を2種ご紹介後、ブルガリアンスクワットの実践方法をご紹介したいと思います。

ブルガリアンスクワットの前にまずランジで正しいフォームを身につける

片足で自分の体重のほとんどを支える種目であるため、足の力が弱すぎると怪我の原因に繋がります。まずはランジをしてみましょう。ランジが正しく出来ないのであれば、ブルガリアンスクワットはなおさら正しく出来ません。試しにブルガリアンスクワットを行ってキツイと感じた方は、以下のランジから実践してみましょう。ブルガリアンスクワットの正しいフォームを身につけるためにも役立ちます。

ブルガリアンスクワットがきつい人必見。ランジで足と膝の向きをマスター!

ブルガリアンスクワットは負荷が高い分、正しいフォームを維持できなかったり、翌日の筋肉痛がきついと感じる方も多いと思います。正しいフォームを維持できないと筋肉痛にとどまらず、膝などを痛めてしまう場合もありえます。

ブルガリアンスクワット前にランジをしっかりマスター
ランジをする際に

  1. 膝と爪先の向きが揃っているか
  2. 動作中は終始上体を立てていられるかどう
  3. 骨盤が大きく傾いたりしないか
  4. 動作中にフラフラしないで安定していられるか

の四点をしっかりと守れていればまず第一段階OKです。

ランジの正しい方法を詳しく知りたい方は以下のURLから過去記事をご覧いただけますので参考にして下さい。
フロントランジの方法〜鍛えたい男性にも最適なランジの方法

2)次にリバースランジでブルガリアンスクワット時のバランス感覚を身につける

次にリバースランジでブルガリアンスクワット前の練習でブルガリアンスクワットの練習
次はランジよりも少し難易度の高いリバースランジをしましょう。普通のランジよりも少しバランス感覚が必要ですが、ランジが出来ればさほど難しくないと思います。前方に踏み出したいたのが、後方に足を踏み出すランジです。

2種類のランジが無理なくできるようになったらブルガリアンスクワットへ

さて、上記の2種類のランジが出来れば無理なくブルガリアンスクワットが出来るだけの筋力が備わってきてるはずです。
まずは膝の高さの台や椅子を用意します。
ブルガリアンスクワットの台の高さは膝の高さ前後
台の高さは膝の高さ前後を用意しましょう。

ブルガリアン・スクワットの正しいやり方と手順・台の高さ

ブルガリアン・スクワットの正しい手順
・自分の膝の高さくらいの台を用意して、台から60-90センチ前に立ちます。
・後ろ足を台に乗せ、背筋をピンと伸ばします。
・ゆっくりとつま先と膝の方向が同じになるようにしながら膝を曲げていきます。

・膝が90°のところで止めます。
ブルガリアン・スクワットの正しい手順3
膝を伸ばして元の姿勢に戻していきます。
この動作を繰り返します。

ブルガリアンスクワットで最も注意したいポイント

負荷が高めでバランスを取る必要があるため、以下の注意点を守って行いましょう。

ブルガリアンスクワットの注意点の骨盤の位置と膝の方向と膝の角度

  1. 骨盤の水平を保つこと
  2. 膝とつま先の向きを揃えること
  3. 膝の角度は90°

ブルガリアンスクワットの回数と頻度

初心者の方はまず、ランジが10回の3セットを正しく出来るようになってからブルガリアンスクワットに挑戦して下さい。ランジを正しく出来るようになることで、ブルガリアンスクワットを行うための下準備が出来ます。もし、ランジが10回の3セット出来たとしても、ブルガリアンスクワットを正しく出来ない方もいますので、自分のペースで行いましょう。
ブルガリアンスクワットの頻度に関しては、どんなに効果的なトレーニングも同じ負荷を日々繰り返し行うことは効率が悪くなることが知られています。たくさんの頻度で行うにしても、今日はブルガリアンスクワット、翌日は上半身のトレーニングなど組み入れる事をオススメします。ですので基本的には1日おきにブルガリアンスクワットを行いながら、ダイエットや鍛えたいなど目的に応じて、空いた日は別箇所のトレーニングを組み込みましょう。

1)筋肥大をしたい方

【8~12回の3~5セット】
筋肉を大きくしたいと考えている方は、8~12回を3~5セット行います。もし、8回を目標にしている方の場合、8回したら9回目は出来ない!という重量を扱って行いましょう。(ダンベルなどを活用して負荷調整しましょう)1分半から2分程の休憩を取ったあと、次のセットをスタートさせます。

2)筋肉は太くしたくないけど引き締めたい方

【12回以上の3~5セット】
筋肉を太くしたくない女性などは回数を多めにします。筋力アップを目指すのでではなく、持久力を鍛えるようなトレーニング回数になります。

3)筋トレ初心者の方:特に膝の痛みに注意

まずは、支えを使って重りを持たずにチャレンジしてみましょう。膝などに痛みが生ずるようであればすぐにやめ、別の種目を試してみましょう。痛みがある筋トレ=NG だと解釈して下さい。
主に正しいフォームができていないか、基本的な筋力が身についていない可能性が高いです。膝などに痛みを感じた場合は、ブルガリアンスクワットは中止し、痛みが引いたら記事前半のランジの練習から正しいフォームを身につけつつ、必要な筋力をつけていきましょう。

4)筋トレ中級~上級の方

筋トレの経験があり、ある程度フォームも完成している方で日々運動もしている方はこちらに当てはまります。筋肥大なのか引き締めたいのか等の用途に応じて回数や重さを調節してください。

5)回数やセットの注意点

目的と方法が合ってなくては筋肉はなかなか成長してくれません。自分の目的をはっきりと決めた上で、始めは負荷を軽く、回数を多めからスタートし、身体が慣れてきたら重量を挙げていきます。次の段階へアップするには週二回のトレーニングで3週間程かかると思っていて下さい。

ブルガリアンスクワット時はここを意識をして他の人と差をつけよう!

前提は、基本となる注意点(骨盤の水平、膝とつま先の向き、膝の角度90°)を実践できることが前提です。
その上で、前足にしっかりと負荷をかけられていることを意識しましょう。後ろ足にできるだけ体重をかけない事がしっかりと前足に効かせるポイントです。
何も重りを持たなくても、しっかりと体重を乗せているとかなり疲れます。
骨盤が左右に傾いてしまうと、鍛えたいお尻周りの筋肉を鍛える事が出来ないだけではなく、変な動きの癖までついてしまって股関節や腰・膝を痛めてしまう可能性が高まります。そうならないよう、骨盤の傾きを保ちましょう。

ブルガリアンスクワットはお尻と太ももに効けばバッチリ

何よりもお尻(大殿筋周辺)、その次に太ももです。
まずはお尻でしっかりと身体の上下運動を支えれるよう注意して行いましょう。

ブルガリアンスクワットで更に負荷を増す

回数を増やすのも限界があります。ブルガリアンスクワットを更に高負荷にしてトレーニングする方法をいくつかご紹介していきます。

オーバーヘッド・ブルガリアンスクワット

オーバーヘッド・ブルガリアン・スクワットを試しては如何でしょうか?
手順は全て同じですが、動作の最中にずっと両腕を真っ直ぐ耳の横にくるよう両腕を天井へ向かって伸ばします。背筋や肩、バランスまで鍛えられてとてもいいですよ!チャレンジしてみてください。
オーバーヘッド・ブルガリアン・スクワット

ダンベルを使ったブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットを行う時に負荷を増やしたければダンベルを使う方法があります。特に、ブルガリアンスクワットの場合は片足になるのでバランスが崩れやすく、バーベルを担いで負荷をかけるのは安全性の面からも向いているとは言えません。ダンベルの持ち方によっても負荷のかかり方が変わってバリエーションの変化にもなりますので、自重の負荷で物足りなくなった方は是非お試しください。

1)両手にダンベル

両手にダンベルを持ったブルガリアンスクワット
通常のブルガリアンスクワットですが両手にダンベルを持ちましょう。左右対象なのでバランスが取りやすく、負荷も多く扱えるのでとにかく負荷を重視したい方にオススメの持ち方です。

2)片手にダンベル

片手にダンベルを持ったブルガリアンスクワットのやり方のアニメーション画像
片手のみにダンベルを持つことで、あえて左右のバランスを崩します。体側の筋肉をより使いながらブルガリアンスクワットをすることになり、バランス感覚もそうですが体幹のコントロールも必要とされます。日常生活やスポーツでは似たような身体の使い方をするシチュエーションもあります。ダンベルはどちらに持ってもいいですが、負荷をかけている足と反対をオススメします。

3)ゴブレット・ブルガリアン

ゴブレット・ブルガリアンはダンベルを体の前方に持って行う
ゴブレット・ブルガリアンスクワットはダンベルを持つ位置が少し前になる分、より背筋にも負荷がかかります。フロントスクワットと似ていますね。ダンベルを両手で顎の下に持って安定させましょう。肩甲骨が前に出て猫背にならないように胸を張るという事と、不必要に前かがみにならないようしっかりと意識してくださいね。

4)両手にダンベル②

両手にダンベルを持って更に負荷を増してブルガリアンスクワットを行う方法をアニメーションGifで解説
両手にダンベルを持ちますが、位置を少し変えてみましょう。ブルガリアンスクワットで上下するたびにダンベルが揺れるのが嫌だな〜と思っている方はこちらの方がいいかもしれません。腕の力でしっかり支える必要があり、バランス感覚を必要とします。肘を後ろに引くようにしてダンベルを脇あたりに固定しましょう。

ブルガリアンスクワットのチェックポイントまとめ

✔正面から見たら骨盤が大きく傾かないこと
✔後ろ足に体重を預けて、前足を楽させないこと
✔膝とつま先の方向が一致していること
✔膝の角度は90°
✔動作中にフラフラしない
✔基本を身につけたら目的を意識しよう(筋肥大目的:8~12回の3~5セット、痩身目的:12回以上の3~5セット)
✔ダンベルなどで負荷を増すなら始めは負荷を軽く、回数を多めからスタート

回数は片足につき、12回×3セットを目指して頑張ってください。疲労するべき筋肉はお尻と太ももの筋肉です。翌日の筋肉痛などでお尻や太ももに効いているかチェックしてみてください。前足に荷重し、お尻に負荷がかかるように意識して行いましょう。

ブルガリアンスクワットの実践方法は正しいステップアップが大切!

冒頭でもお話しましたがブルガリアンスクワットは日頃運動をしていない方はには少し負荷が強い種目になります。間違ったフォームで行ったり、筋力が十分でないのに頑張ってしまうと怪我をして逆効果になんてことがありますので、必ずランジ2種類をマスターしてから挑戦してくださいね!
また、片足で行うスクワットにはピストルスクワットという方法もあります。
片足で行うピストルスクワット
以下のスクワット総まとめ記事でご紹介していますので、ぜひ様々なスクワット方法を覚えてみてください!
正しいスクワットのやり方難易度別まとめと注意点

<著者プロフィール>

今田悠太

ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから“RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。

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