MECダイエットの方法とMEC食にオススメな食品

2016年5月25日

MEC(エムイーシー)食やMECダイエットは、2015年ごろから書籍などがいくつか発刊されており、一度は見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか?

MEC食のMECとは、肉(Meat)卵(Egg)チーズ(Cheese)の頭文字を取った、高タンパク、高脂質の食事方法の事で、沖縄在住の医師である渡辺信幸さんが考案されたダイエット法です。

過度にMEC食にこだわりすぎることは、栄養のバランスを崩してしまう可能性も若干ありますし、全く糖質を摂らない食生活は一定のリスクが存在します。そこでMECの基本的な考え方と無理なく行うためのコツについてご紹介します。

MEC基本のルール

MECは2014年後半の渡辺医師の書籍発売から徐々に話題になり、2015年になるといくつかの書籍発売とともに一気に火が付き、今注目を浴びているダイエット方法のひとつです。具体的な基本ルールからご紹介します。

1、M:肉200g、E:卵3個、C:チーズ120gを1日の目安量として摂取する
2、1口30回よく噛んで食べる

この基本ルールがシンプルな点が続けやすく、話題の一因だといえます!

肉、卵、チーズを食べる理由とは?

毎日、肉、卵、チーズを食べることで、1日に必要な栄養素の多くを摂取することが出来ます。
このベースとなる量はあくまで目安なので、これ以上の量を摂取しても問題ありません。
しかも、肉、卵、チーズは沢山摂取しても肥満の原因となる糖質量がほとんど含まれていません。

肉は種類や部位は一切問わず、牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉など、自分の好きなお肉を食べて問題ありません。
卵はアミノ酸のバランスが取れた動物性タンパク質などの栄養素が含まれた完全食品といえます。

MECで痩せる食べ方

1、一口サイズを小さくする
2、口に入れるたびに、箸やフォークをテーブルに置く
3、1口30回よく噛む

あまり咀嚼をおこなわない早食いは、肥満の元となってしまいます。
早食いを防ぐためには、箸やフォークを1口食べるたびにテーブルに置くと、食べるスピードがゆっくりになります。すると満腹中枢が働き、少しの食事量でも満足出来るようになります。
また、噛む回数を増やすことで脳の満腹中枢を刺激することが出来るため、少なめの食事量でも満足感を得る事が可能になります。
咀嚼回数を増やすことで、唾液の分泌量を増やすことが可能になります。
唾液の中には消化酵素のアミラーゼが含まれているため、糖質やデンプン等が吸収しやすくなるため消化を助ける働きをしてくれます。

咀嚼回数を増やすメリットに関しては過去記事でもご紹介していますので、ぜひご参照ください。

咀嚼の効果:よく噛むとダイエットになる!?

MEC食と糖質制限食の違い

MEC食と糖質制限食は、低炭水化物、高タンパク質な食事を心がけるといった点において共通しています。
しかし、MEC食が高タンパク質、高脂肪を優先させるのに対し、糖質制限食は低糖質を重視させるといった違いがあります。
日本人は穀物や野菜を中心とした食事が多かったため、単純に穀物を抜いたり減らしたりしようと考える方が多いです。その結果、栄養不足に陥ることになってしまいがちです。
しかし、MEC食は優先的に肉、卵、チーズの摂取を心がけるため、身体に必要な栄養素をしっかりと摂取した上で健康的に痩せることが出来ます。

糖質制限のデメリット

糖質制限ダイエットが流行する事により糖質・炭水化物は、敬遠される傾向にあります。
しかし、タンパク質や脂質と比較してみると、エネルギーを効率的に変換できる栄養素です。脳はブドウ糖を唯一の栄養源としているため、糖質は人間の生命活動に欠かせない栄養素です。体内の糖質が不足した場合、タンパク質を分解し糖質(グルコース)を作り出す糖新生という代謝経路があり、体に必要な糖質を補うことが可能となります。
これにより、基礎代謝が落ちてしまう可能性があるため、一時的には体重が落ちても、リバウンドリスクが増加してしまうのです。

その他の糖質制限ダイエットにより起こる可能性のあるデメリットは下記のとおりです。

・低血糖による影響(頭痛、めまい、吐き気、寒気など)
・筋肉量減少の可能性
・脂質過多な食生活になりがち
・カロリーが不足しがち
・元の食生活に戻すとリバウンドする

※これらは糖質制限により必ず起こるというわけではなく、可能性が高まることを示唆しています。

MEC食の注意点

MEC食は糖質の摂取を控えて、たんぱく質を多量に摂取する食事方法です。
そのため、ブドウ糖が不足しがちになり、これを防ぐために肝臓からブドウ糖を作り始めます。しかし、肝臓が弱っていた場合、十分なブドウ糖を作り出せなくなってしまう可能性があります。また腎臓の働きが悪い場合は、たんぱく質を上手く代謝出来ない可能性があります。これらの疾患に当てはまる方は、一度、医師に相談してからMEC食を始めたほうが良いでしょう。

MECでオススメな食品

前出までが基本的なMEC食における理論や注意点でした。
ここからは具体的な実践方法として、どのような食品を選びMECダイエットを実践したら良いのか、ヒントになる食品の選び方をご紹介します。

野菜

MECを実践する場合、野菜の摂取量は彩り添えとして食べやすい程度の量で問題ありません。緑や赤といった色が濃い野菜には、ビタミンCが豊富に含まれています。

たんぱく質

たんぱく質には植物性と動物性の二種類があります。
動物性たんぱく質の方がアミノ酸組成が上質で優れています。
肉、卵、チーズには身体を作る上で欠かせないアルブミンというたんぱく質を合成するために必要な栄養素が多く含まれており、吸収が良いため効率よく体内で働かせることが出来ます。

油脂

油に関してもバターやラードといった動物性油脂の摂取する事をオススメします。
油についてはコレステロールを気になさる方も多いと思います。
しかし、厚生労働省は2015年版の食事摂取基準でコレステロールに関する基準を撤廃しました。更に動脈硬化学会も同様の声明を発表しました。
そのため、今後は食事の摂取でコレステロール値を気にせず、肉や卵を摂取することが可能となります。また、コレステロールは悪者にされがちですが、体内の細胞を修復するために欠かせない存在でもあるのです。過剰に摂取を控えてしまうのも問題となってしまうといえるでしょう。

調味料

MECをおこなう際は、糖質の摂取を避けるために塩コショウで味付けをするようにしましょう。また、醤油、酢、マヨネーズ、カレー粉、一味唐辛子、マスタードなども糖質量が低めなのでオススメです。また、どうしても甘味を付けたい場合はラカントなど糖質0のものを使用するようにしましょう。

MECで得られるメリットとは?

MECダイエットには以下2つの代表的なメリットがあります。

1:空腹感が少ない
MEC食はしっかりと咀嚼をおこなうことで満腹中枢が刺激され満足感を得られるのが特徴です。そのため、空腹感を感じにくくなり、イライラしたり暴食を防ぐことが出来ます。

2:ストレスが溜まりにくい
MEC食は食べる量を減らすといった我慢や過度な運動を必要としません。
肉、卵、チーズであればお腹いっぱい食べられる上に、間食として摂取することも可能です。そのため、他のダイエットと比較してストレスが溜まりにくいのが特徴です。

食べるべきものに一定の制限や推奨されている食品がありますが、基本的には食べ物を制限すること無く、ダイエットを実践できるため、ダイエットにありがちな空腹感と空腹感からくるストレスを避けることが可能です。

基本的な栄養素は十分に摂取するため、リバウンドなどの可能性も低い点もメリットだといえます。

最後に

MEC食も糖質制限ダイエットもそれぞれ、メリット、デメリットがあり、体質や持病によっては合わない可能性もあります。
糖質を控えていると、集中力が途切れがちになったり、体が正常に機能しなくなってしまう可能性もあります。
また、糖質が不足した状態が長く続くと、脳が飢餓状態と判断し、脂肪を蓄えようとしてしまうこともあります。適正体重に比較して体脂肪率が高い「隠れ肥満」となる可能性があります。MEC食及び糖質制限ダイエットは過度におこない過ぎないようにすることが大切です。