スポーツ選手のコンディショニングとしても取り入れられるPNFストレッチ(PNFトレーニング)をご存知ですか?

少し聞き慣れないストレッチ方法かもしれませんが、1940年代後半のアメリカでリハビリなどを目的として開発された手法です。

今回は、パフォーマンスコーチとして活躍する今田トレーナーにPNFの概念とPNFストレッチの実践方法をご紹介いただきます。

ストレッチには色々な種類がある。

皆さんこんにちは!PNFって知っていますか?ストレッチにも実は色々なテクニックがあり、PNFもその一つです。Proprioceptive Neuromuscular Facilitationの略で、固有受容性神経筋促通法といいます。なんだかややこしいですね!笑 

普通に筋肉をぐぐぐっと伸ばすだけではなく、神経のコントロールを使って筋肉をゆるめていく方法があります。不思議ですよね。もともとはリハビリとして開発されたものですが、今では様々なシーンで使われるようになりました。PNFにも様々なやり方がありますが、今回は基礎的なPNFストレッチに限定してどのようなモノなのかを簡単な理論を交えてご説明していきます!

PNFの特徴:筋肉の緩みや伸びを神経でコントロールする

筋繊維
私達の体には様々なセンサーが備わっています。温度の変化、味、痛み、匂い、などを感知する様々なセンサーが体のいたるところに設置され、感知した情報を常に脳へ送っています。その中に筋肉や健の長さを感知するものがあります。その2つのセンサーとは

1)ゴルジ腱器官の役割
ゴルジ腱器官は骨と筋肉のつなぎ目となる“腱”付近にあり、筋肉と腱の張力(引っ張られ具合)を把握して脳に情報を送っています。

2) 筋紡錘の役割
ゴルジ腱器官と似ていますが、こちらは筋肉にあるセンサーで、筋肉の伸長具合を常にモニターしています。筋肉が伸びすぎたりするとちぎれてしまうのでそれ以上伸びないように制御するのです。これら2つのセンサーの性質を利用して、ストレッチに活かそう!っていうのが今回ご紹介するPNFの一部です。

PNFストレッチのやり方

PNFは上記2つのセンサーの性質を利用し、筋肉を緩めたりリラックスさせます。

ホールド・リラックス法
ホールド・リラックス法
まず、他動ストレッチ(自分以外の誰かにしてもらう)をします。伸ばしたい筋肉を他動的にストレッチし、これ以上いけないと判断したら抵抗するように力を入れますが、実際には動かすわけではありません。何秒力を入れるかは諸説ありますが、ここでは5秒間のアイソメトリクスとします。その後出来るだけ脱力し、筋肉をリラックスさせたあとは再度同じストレッチをしてみてください。はじめにストレッチを行った時よりもさらに柔軟性が増しているはずです。

流れを再確認してみましょう。

他動ストレッチ → 抵抗(アイソメトリクス)→ リラックス(弛緩)→ 再度ストレッチ

コントラクト・リラックス法
コントラクト・リラックス法
基本的にはホールド・リラックス法と似ています。他動ストレッチを行い、伸ばしたい筋肉を伸ばします。その後、ストレッチに抵抗するように力を入れます。先ほどと違うのはホールド・リラックス法はアイソメトリクス(力を入れても動かない)だったのに対し、今回はストレッチを押し返すように動かしていきます。

他動ストレッチ → 抵抗して押し返す (アイソトニック) → リラックス(弛緩)→再度ストレッチ

PNFストレッチのまとめと一人で行う方法

私は選手の身体の調整をしたい時などはPNFをさっと行うことがあります。PNFストレッチは簡単で効果が出やすく、動きが悪かったり筋緊張が強い時などに有効です。私達の身体がもつ固有受容器(センサー)をうまく利用したPNFを皆さんも是非試してみてください。

<美wise編集部より>
一人でPNFストレッチを行う方法動画をご紹介します。
前出の今田トレーナーが紹介してくれたチューブを使ったハムストリングスのストレッチも一人で行うPNFストレッチの方法です。

◆肩のPNFストレッチ
先程のストレッチ方法と同様にゴムチューブが必要となります。

◆デスクでもできるPNFストレッチ

<著者プロフィール>

今田悠太

ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから“RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。

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