食べる順番と低GI値の食品でダイエット:痩せるには食べる順番も大切!

2017年2月16日

食べる順番ダイエットはテレビや書籍、雑誌などで話題のダイエット方法ですので一度は目にしたことがある方も多いかと思います。

食べる順番を工夫するだけでお手軽にできるダイエット方法ですが、科学的にも根拠があり効果的なんです♪

食べる順番ダイエットは食品のGI値と深く関わっています。GI値についての詳しい解説とともに食べ順ダイエットの痩せる根拠とやり方を解説します。

GI値ってなに?食べる順番ダイエットを知る前の基礎知識

GI値とはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略称で、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標のことです。ブドウ糖を100としたときに炭水化物を「50グラム」摂取したときの相対値で、0から100までの目盛りで示されます。

GI値グラフ
図表引用:CLUB Panasonic「低GI値食品」で効率的なダイエットを!

一般的には、GI値が高い食品を食べると、食後の血糖値は急激に上昇し、大幅に降下し、逆にGI値の低い食品を食べた後の血糖値は高GI値の食品と比べ、上昇・下降が緩やかだと言われています。

〜GI値のランク分け〜
GI値は55以下が低、56〜69が中、70以上が高と分類されます。
各分類の食品例を表で見てみましょう。

GI値ランク
基本的には食物繊維を豊富に含む食材程、GI値が低くなっており、
穀類は精製されている白米、小麦粉などより玄米、全粒粉等の方が低GI値となっています。
〜果物のGI値が低いのは何故??〜
基本的に糖質を豊富に含む食材はGI値が高めとなっています。
「果物は甘いしGI値高いんじゃないの?」と思われる方も多いかと思いますが
ランク分けの表を見てわかるように果物は低GIに分類されています。
その原因は果物が含む糖質の種類にあります。
果物に含まれる糖分は、主にショ糖(砂糖)、ブドウ糖、果糖の3種類ですが、果物によって比率は違いますが、多くはブドウ糖と果糖を半分の割合で含んでいます。
ブドウ糖は血糖値を大きく上げますが、果糖は代謝経路が特殊で、そのほとんど(約90%)が肝臓で代謝されるため血糖値をほとんど上昇させないのです。
ただ、代謝の際の余剰エネルギーは中性脂肪として蓄積させる為、太りやすいとも言われています。GI値が低いからと言って過剰摂取は禁物です。

知っておきたいGI値の落とし穴

実はGI値には世間一般でイメージされている物とは違い、さまざまな問題点があります。その問題点とはなんなのでしょうか?

~測定基準による問題~
一般的に低GI値の食品は血糖値の上昇が穏やかだといわれています。
しかし、GI値の測定基準は下記の通りです。
「試料」摂取時の血糖値上昇曲線の面積 ÷「ブドウ糖」摂取時の血糖値上昇曲線面積 × 100
あくまで、血糖値が上昇して下降する曲線の面積で値の上下が決まる為、ピーク血糖値の高低を示さないのです。
例えば砂糖の場合、急激に上昇し急速に下がるため、曲線の面積は小さくなり、ピーク血糖値は高いですがGI値は低くなるという状態になってしまいます。しかも、急速に下がる理由はインシュリンが大量に分泌されているからなので、ダイエットの観点からすれば最悪です。
逆に上昇速度やピーク値は低くても、長時管血糖値が上がる食品はダイエット的には良いのですが、面積は多くなりGI値が高くなってしまいます。

~測定方法による問題~
GI値の測定方法は「ブドウ糖を100としたときに食品の炭水化物を50g摂取したとき」です。この一食分あたりではなく「炭水化物50gあたり」という所に問題があります。
例えば測定するには、蕎麦ならば70g、スイカは660g、豚もも肉に至っては25kgも摂取しなければならない事になり、現実的ではありません。
国内で出回っているデータには豚肉のGI値が載っていますが、一体どのように測定しているのかは不明です。(海外信頼性の高いデータベースには測定が困難である肉類等のデータは記載されていません)

~データの信頼度における問題点~
国内において「GI値一覧」で検索した場合、色々なサイトでデータが出てきていますが、どのサイトにも信頼性の高いデータの出典がありません。出回っているデータは信頼性に欠けるのが現状です。
比べて、海外のサイトにはシドニー大学やハーバード大学医学大学院運営のデータベースがあり信頼性も高いと言えるでしょう。)そして、国内のデータと海外のデータでは差異があります。私たちが一般的に目にするデータは正確ではない可能性があります。

如何でしたでしょうか?
現状GI値は信頼性に欠ける部分があります。最近ではGI値に代わりGL値という値での評価も出てきています。

※GL値はGI値に炭水化物量(グラム)を掛け、100で割った指数です。
(GI値×炭水化物量(g)÷100=GL値)

GI値にこだわるよりも、食物繊維を多く含むという所に焦点を当てた方が良いと言えるでしょう。

インシュリン(インスリン)とGI値の関係

インスリンの過剰分泌を防ぐ事はダイエットに役立ちます。
インスリンは一部では肥満ホルモンとも呼ばれていて、脂肪の蓄積に大きく関係しています。
少し詳しく見てみましょう。

Cインシュリン効果
図の様にインスリンは二重三重の肥満効果を持つホルモンなのです。

〜インスリンと血糖値の関係性〜
肥満ホルモンとも呼ばれるインスリンですが、インスリンが分泌されるきっかけとなるのが血糖値の上昇です。
というのもインスリンの分泌最大の目的は血液中のブドウ糖を各臓器に取り込む事、つまり血糖値を下げる事なのです。
上記の働きは血糖値を下げる過程で起きる現象ですので、血糖値が上昇しなければインスリンを抑える事に繋がります。

低GI食品を食べるの意味を間違えないで!

このダイエットは上記にも書いた通り、血糖値を急激に上昇させない事が重要です。
決して低GI値の食品を食べていれば痩せるという事ではないのです。

〜「低GI値食品=血糖値の上昇を防ぐ」ではない!〜
GI値とは、食後の血糖値上昇度を示す指標のことです。
GI値が低い食品は食べても血糖値の上昇が穏やかな為、インスリンが急激に分泌される事がなく、太りにくいと言われています。
あくまで、食べても穏やかに上昇するのであって上昇を防ぐ効果は無いのです。
その為注意しなければならない事は、たとえ低GI値の食品を食べようがその前に血糖値が上昇してしまっていては意味が無いという点です。
そしてもう一つ注意しなければならないポイントがあります。
GI値の求め方は下記の通りです。

「試料」摂取時の血糖値上昇曲線の面積 ÷「ブドウ糖」摂取時の血糖値上昇曲線面積 × 100

曲線面積での割合なので、上昇速度やピーク値は低くとも、長時間血糖値が上がる食品は、曲線面積が多くなりGI値が高くなってしまう事があります。
また、砂糖のように急激に血糖値が上昇し、速やかに下降するような試料は面積が少なくなりGI値は低くなる事があります。しかし、血糖値が速やかに降下するという事は大量のインスリンが分泌されているという事でもあります。
一概に「低GI値=血糖値の上昇が穏やか」とは言えないという事を覚えておきましょう。

低GI値よりも食べる順番!?

低GI値な食品をえらぶだけではなく、食事の際の食べる順番が大切です。
最近注目されてきている「食べる順番ダイエット」ですが、実は根本の考え方は同じで血糖値の急上昇を防ぐ事にあります。

食べる順番でダイエット効果があるの??

栄養学の観点から食べた物の「栄養素の量と種類が一緒」であれば「人体への影響は同一である」と考えられてきました。

ですが最近の研究では食事をする「時刻」、「食べる速度」、「食べる順序」によって身体への影響が異なる事が分かってきました。

今回ご紹介する【食べる順番によるダイエット効果】に関係する点としては血糖値の上昇が関係しています。

非常にざっくりした説明をすると血糖値が下がってくるとお腹が減ります。

食事をすると血糖値が上がり満腹感を感じるのですが、急な血糖値の上昇を抑えるために体内ではインスリン(血中糖度を下げるホルモン)が分泌されます。

インスリンは血糖を脂肪に変える働きをもつため、血糖値の急激な上昇をさせてしまう食べ方は太りやすい食べ方となります。

同じ食べ物でも血糖値上昇をゆっくりとさせる事でインスリンの分泌が抑えられ、太りにくい食事にする事が出来ます。

参考元:キューピー 野菜を先に食べて肥満を防ぐ

食べ方順ダイエットのやり方

では具体的に血糖値の上昇を抑える食べ方順はどのような流れとなるでしょうか。

食べ物別の血糖値の上がりやすさ

上図のように食べ物によって血糖値の上がりやすい食べ物と上がりにくい食べ物があります。

一般的にご飯やパンなどの炭水化物は血糖値が上がりやすい食べ物です。
(同じパンでもライ麦パンなら血糖値が上がりにくいという事もあります)

◆食べ方の順番

食品別食べ方の順番
前置きが長くなってしまいました…。
①食べ方順ダイエットの一番のキモは最初にサラダなどの野菜を食べる点です。

食物繊維は小腸からの糖の吸収を遅くします。
また、お酢にも糖の吸収を抑える効果があるのでサラダにドレッシングをかける事も有効です。

②次にみそ汁や納豆などの大豆食品を食べます。

③主食となる動物性のタンパク質を食べます。

④最後に炭水化物のご飯やパンを食べます。

血糖値を上げにくい食べ方

血糖値を上げにくい食べ方は先ほどご紹介した食べる順番以外にも以下の点を気をつけてみて下さい。

  • よく噛む
  • ゆっくり食べる
  • 食物繊維を多くとる
  • 野菜が取れない場合は食前に野菜ジュースを
  • 食べる物を選ぶ

GI値の低い食べ物について

Gi値が低い食べ物ほど血糖値の上昇が低い食べ物ですのでなるべくGIの低い食品を選びましょう。

特にダイエット中の空腹時にどうしても何か食べたくなった際などは低GIの物を選ぶとよいでしょう。

◆低GI食品
GI値ランク
簡単に覚えるのであれば以下のように覚えておいていただければGI値の低い食品を選べます。

お米→玄米や五穀米に
パン→ライ麦パン
麺類→そばやパスタ、はるさめ
お肉→鶏肉

血糖値の急な上昇を防ぐためにもダイエット中などは「極度の空腹を避ける」、「空腹時に糖分の多い食べ物をいきなり食べない」といった点も大切になります。

普段のちょっとした気遣いで食べても太りにくい体質になれる「食べる順番」と「低GI値の食品」を意識して健康的なダイエットに取り組んでみて下さい!