腹横筋の図解:体幹筋の一つ「腹横筋」の働きと鍛えるドローインと体幹トレ
いわゆる腹筋の筋トレ(シットアップ)では腹直筋を鍛えることが出来ても腹横筋はあまり鍛えることが出来ません。
筋トレと聞くと拒否反応が出てしまう人でも寝た状態や椅子に座った状態でもできるドローイントレーニングは腹横筋を比較的簡単に鍛える事が可能です。
内蔵が出てしまう「ポッコリお腹」の解消に役立ちますので気になる方は積極的にドローインをする習慣を付けてみてください。
腹横筋の図解
腹横筋はお腹周りをコルセットのように取り巻いています。
- 体幹の前屈や側屈・旋回
- 体幹の維持、固定(姿勢の維持)
- 内蔵を支える
- 腹圧の調節
また、便秘がちな人はこの筋肉が弱っている可能性もあり、輪をかけてポッコリお腹になってしまいます。
体幹トレーニングなどで腹横筋を鍛えることで、腹圧が高まります。
腹圧が低い状態では骨盤が傾くなど姿勢の悪化にも繋がり、腰痛や猫背、反り腰などの要因の一つとなります。
ドローイントレーニングで腹横筋を鍛える
当サイトでは何度かご紹介したことのあるドローインの方法です。
基本となるドローインの方法ですので実践したことのある方もおさらいとしてご覧ください。
1でまずは正しい姿勢を作ります。
図中の2番のようにお腹に手を当てることで腹横筋を意識的に動かすことが大切です。
(意識的に出来る人は手は横においても大丈夫です)
腹横筋を鍛えるドローインのポイント
ゆっくりと行う。
息を吐き切った時にしっかりとお腹を凹まします。腹横筋の動きを意識しながら呼吸をすることがポイントです。
ドローインの回数・セット数
10~30秒ほどで一呼吸(息を吸って吐いてを1回ずつ)。
5~10呼吸を1セットとして3セットほどを目標に行いましょう。
その他のドローインの方法も記事後半でご紹介しますが、ドローインをするメリットについてまとめてみたいと思います。
腹横筋を鍛える事によって得られるメリットとは?
私たちの体幹部には4層の腹筋(内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋、腹直筋)があります。そのうちの一つである腹横筋は、単独で動かすことは出来ず、他の腹筋と一緒に動きます(鍛錬した人はできるそうです)。これら全ての腹筋が共同で働くことにより、腹圧を高めるのもそうですし、そのおかげで内臓を守ったり出来ます。そしてその中でも腹横筋(その他の腹筋の層も含め)を鍛える一番のメリットは、『背骨』を守ることです。
腹横筋を鍛えて背骨が守られるメリット
ポッコリお腹を引っ込めたりする効果があるというダイエット目的で腹筋を鍛える方が多いかもしれませんが、実は背骨を守る事が出来ます。
背骨というのは特に腰椎という腰に近い部分の背骨で、捻ったり曲げたりすると怪我のしやすい部位になっています。その部分を『安定』させるというのが腹横筋の働きです。腰椎が安定するということは、腰痛予防や腰痛改善になります。
腹圧が低い状態では骨盤が傾くなど姿勢の悪化にも繋がり、腰痛や猫背、反り腰などの要員の一つとなります。
スポーツのパフォーマンス向上目的では…
もしスポーツの競技パフォーマンスのために腹横筋だけを使えるようになりたいと思っているのであればこれは効果がありません。スポーツ時のドローインは逆に安定さを欠いてしまうので怪我をしやすくなりますので、勘違いはしないようにお願いします。
もし、スポーツの競技パフォーマンスのために腹横筋を鍛えたいと思っているんだとすれば、腹横筋だけを活性化させるのではなく、その他の4層の腹筋(内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋、腹直筋)を全て同時に使うことが推奨されています(stuart Mcgill ultimate back fitness and performance より)。
この腹横筋のトレーニングは決して単体だけで大きな効果が得られるものではなく、他の腹筋(内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋、腹直筋)と連動して使うことで本来の機能が果たされます。ということで、今回腹横筋を鍛え方をご紹介致しますが、あくまでも体幹部のトレーニングの一つとして行い、その他の体幹部のトレーニングを怠らないようにしてくださいね。
では、腹横筋を鍛えることのメリットをおさらいしてみましょう。
- 腰痛予防
- 腰痛改善
- ポッコリお腹改善
- 姿勢改善
ドローインその他のバリエーション
簡単な方法を実践しつつ、ドローインにより腹横筋を鍛えるメリットを把握したら、内容もステップアップをしていきましょう!
立った状態で行うドローイン
寝そべった状態で行う方が腹横筋の動きを意識しやすいのですが、慣れてきた方は立った状態でもドローインを行なってみましょう。
もう少しお手軽な立った状態で行うドローイン(動画)
もっとドローインの負荷を上げる方法
寝た状態で行うドローインに足の動きを足してみましょう!
ドローインをしながら足の上げ下げを行うことで更に腹横筋を鍛えることが出来ます。
ドローインよりも負荷をアップさせて腹横筋を鍛えていく
いわゆる体幹トレーニングは腹横筋を鍛えるのに適しています。
そして、記事前半でも記載したように腹横筋だけでなく、周辺の筋肉や体のいくつかのパーツを連動して活用することができます。
プランクで腹横筋を鍛える
- 地面にうつぶせになります
- 肘が肩の真下になるように位置を調整して
- 身体を地面から浮かせましょう
- 腰が落ちたり、背中が丸くならないようにしないと腰を痛めたり効果が半減するので、フォームに気をつけてください
- 10秒からスタートして、最大2分ホールド出来るよう少しずつタイムを伸ばしていきましょう
詳しくはこちらの記事より。
フロントブリッジのやり方と効果〜体幹を安定させるフロントブリッジ
サイドブリッジで腹横筋を鍛える
サイドブリッジは横向きのプランクです。これも腹横筋を直に刺激してくれます。
- 横に寝ます
- 肘が肩の真下にくるようにして
- 身体を一直線にして身体を地面から浮かせます
詳しくはこちらに書いてあります。
体幹強化する!サイドプランク(サイドブリッジ)のやり方
スクワットで腹横筋を鍛える
実はスクワットはとても腹横筋を使う種目だって知ってましたか?ジムにアクセスがあって、筋トレ慣れしている方はバーベルスクワットをしてみましょう。
- バーベルを担ぎ
- 背筋をしっかりと伸ばします
- 肩幅より少し広めに足を広げたら
- 膝とつま先の向きが揃うように意識をしながら腰を落としていきます
- お尻を後ろに下げるようにして膝がつま先よりも前にあまり出ないようにしましょう
- 重たい重量を挙げたほうがより腹横筋を鍛えられるので、5RM(5回持ち上げたら限界にくる重さ)くらいでやってみましょう
スクワットの詳しい説明はこちらから。
正しいスクワットのやり方難易度別まとめと注意点
腕立て伏せで腹横筋を鍛える
腕立て伏せはプランクのようなもの。正しく腕立て伏せすれば腹横筋を鍛えることが出来ます。
- うつぶせに寝て両手は胸の横に
- つま先を地面にしっかり立ててお腹に力を入れたら
- 両腕を伸ばして身体を持ち上げましょう
詳しい腕立て伏せのやり方はこちらからどうぞ。
腕立て伏せの効果と基本となる正しい腕立て伏せのやり方
以上です。
今回は立った状態と寝た状態で行う腹横筋を鍛えるドローインの方法をご紹介しましたが、日頃の歩いている最中もドローインを意識することで運動量が増しつつ腹横筋も鍛えることが出来ますので、是非慣れてきた方は日頃からお腹に力を入れる習慣を身につけてみてください。
体幹トレーニングと言うとお腹周辺のエクササイズ方法とイメージする方が多いのではないでしょうか?
流行りの体幹トレーニングの正しい考え方や部位別での実践方法など詳しくまとめた記事をご用意しましたのでぜひ参考にしてみてください!
体幹トレーニングの方法や効果をどこよりも詳しく解説!
<編集・構成協力>
今田悠太
ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから“RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません