ラダートレーニングの7つの実践方法と効果
多くのスポーツ選手が取り入れるラダートレーニングには嬉しい効果が沢山あります!手軽に実践できるラダートレーニングの方法とメリットについてパフォーマンスコーチとして活躍する今田トレーナーにご紹介いただきます。
記事の前半ではどなたでも行いやすいベーシックなラダートレーニングのご紹介、後半ではサッカーやバスケなど具体的な競技に合わせたラダートレーニングの活用方法、更には競技のパフォーマンス向上に役立てるラダートレーニングの活用術までご紹介していきます!
敏捷性を高めるにはラダートレーニング!
皆さんは学生の頃のスポーツテストで、反復横跳びをしませんでしたか?これって何を計っていたのでしょうか?そしてラダートレーニングは反復横跳びと同じ効果があります。今回はラダートレーニングの実践方法とその効果を皆さんにご紹介したいと思います!
ラダートレーニングの効果
- ①敏捷性アップ
- ②リズム感
- ③フットワーク
敏捷性とは素早く方向転換をするの能力の事。ラダートレーニングは敏捷性を高めるための代表的なトレーニングです。サッカー、バスケットボール等のきびきびと方向を変える種目には敏捷性が必要です。
ラダートレーニングでは様々なリズムでステップを踏んでいくことで色んなリズムを覚えていきます。
足で複雑なステップを踏むことにより、フットワークが身につきます。
ラダートレーニング基本編7つの実践方法
ラダートレーニングは神経のON/OFFが素早く行われ、また瞬発力を必要とするため、トレーニングの始めの方に取り入れるのが一般的です。主にラン、スキップ、シャッフル、ホップの動作が行われます。
簡単なものから複雑なものへ徐々にステップアップしていきましょう。間違った動作で急いでも間違った動きを練習していることになってしまい、逆効果です。
ラダートレーニングは運動の基礎をトレーニングすることが出来ると同時に、競技スキルに直結しやすい非常に優れたトレーニングです。左右対称にしっかりと動けるようになるように意識して、始めはスローに、フォームは習得出来たら少しずつスピードを上げていきます。
それぞれの種目を二回する事をおすすめします(シャッフルなどの左右違うものを合わせると4回)。
ではラダートレーニングの種目をご紹介していきたいと思います!
①アンクルスキップ
足首のスナップだけを利用し、膝はほぼ曲げずに進んでいき、接地時間は出来るだけ短くしましょう。一マスずつ進んでいきます。
②ハイニー・ラン
つま先を背屈(反る)に保ったまま、もも上げをするようにして太ももが地面と平行になるまで挙げます。一マスずつ進んでいきます。
③ラテラル・ハイニー・ラン
ハイニー・ランの横向きバージョンです。足がクロスしてしまわないように次のボックスに移りましょう
④ワイドスキップ
スキップをするのですが、足は常にラダーの外に位置します。
⑤イッキーシャッフル
ラダーの定番種目です。リズム良く行いましょう!
⑥ジグザグ
両足ホップでジグザグにホップします。
⑦シャッフル
横向きで行います。胸を起こし、アスレチックポジション(軽いスクワットのような)のまま、横向きに進んでいきます。
サッカーやバスケなどのパフォーマンス向上に役立てる俊敏性向上のラダートレーニング実践メニュー
さて、ラダートレーニングをするからには何かスポーツのためにやる!って方がほとんどではないでしょうか?ただラダートレーニングが好きっていうよりも、スポーツに役立つからやりますよね。ではここではスポーツの競技特性によってどのようにラダートレーニングのメニューを変化させていったらいいかをご説明させて頂きます。
✔ポイント:バスケは足広め、サッカーは足を狭めで
バスケットボールのディフェンスの体勢を思い浮かべて見て下さい。足の幅を広くとって前後左右に動き回っています。オフェンスのときも実は足幅は少し広めで、いつでも左右の方向転換を細かく出来るように身構えています。
しかし、サッカーはまた少し違います。サッカーは細かい方向転換をしますが、足の幅をバスケットボールよりも比較的狭く動きます。これは一回に走る距離が長いのも関係しています。細かいステップをしつつ、いきなり100%のスピードを出して走るわけです。
その特徴を踏まえてバスケのラダートレーニングは足幅を広めにしつつ細かい前後左右のステップを、サッカーの場合はバスケットボールよりも狭めの種目を選びます。
①バスケットボールのラダートレーニング
ラダーボックス一個飛ばし
一個飛ばし、2つ進んで一つ戻る
ワイドスタンス、横向き、前後
イッキーシャッフル
②サッカーのラダートレーニング
キャリオカ
2フィートイン
イッキーシャッフル
ラテラルシザース
ラダートレーニングでパフォーマンス向上に役立てるコツ(主に高強度インターバルトレーニング)
トレーニングはそれぞれの特性や目的に応じて順番があります。アジリティやクイックネスをトレーニングしたい人はラダートレーニングを取りれる事が多く、ラダートレーニングは基本的にはトレーニングの序盤で行うのが効果的です。
それはなぜかというと、身体や神経がトレーニングによって疲労していないうちに最大限のスピードで行いたいからです。スピードを出してこそラダートレーニングは意味を成すことが多いからです。
しかし、別の目的でもラダートレーニングは使うことは出来ます。例えば、疲れてきてからのフットワーク動作の正確性をトレーニングしたいというときなどは、トレーニングの後半にラダートレーニングを取り入れるのもいいでしょう。インターバルとしてラダートレーニングを取り入れ、体力強化という狙いをもって行うことも出来ます。
要するに、エクササイズは“なんのために”行うのかを明確にし、エクササイズの順番や強度、スピード、負荷などを調節すればいいのです。ということは、トレーニングの事をよく知ってないといけませんよね。でもそこまで詳しい事は難しいな〜と思ってしまう方もいるかもしれませんので、簡単に表にまとめてみたいと思います。
ラダートレーニングをトレーニングメニューのどこに組み込むか? | |
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序盤 | 主にウォーミングアップやフットワークのスピードを重視しているときに行います。まだ脳も身体もフレッシュですので集中して行う事ができ、自分の持っているスピードを最大限に発揮しつつトレーニングすることが出来ます。とにかく速く動けるようになりたい、フットワーク重視でやりたい!っておもっている時は序盤に持ってくるのがオススメです。 |
中盤 | 序盤と後半の要素を両方とも欲しいなと思う時は中盤に取り組みます。 |
後半 | トレーニングの後半にもってくる場合は二通り考えられます。 ①体力強化のため ②疲れたときこそ正確性を求めたい 特に、ラダートレーニングは疲れた時にすると足が燃えそうな(皆さん乳酸が溜まると表現することが多いです)感覚に陥ります。そんな状況下で正確なフットワークを踏めるのか?疲れを乗り越えて試合終盤の勝負強さを鍛えたいならトレーニングの終盤にインターバルトレーニングと一緒に取り入れることをオススメします。 |
ラダートレーニングの実践方法と効果のまとめ
ラダートレーニングは手軽に出来る非常に有効なトレーニングの一つです。様々なフットワークを覚えることでスポーツの中での動きに臨機応変に対応することが出来るようになるだけではなく、スピードアップや切り返しがスムーズに素早く出来るようになります。
競技動作に近づけるために、バスケットボールのハンドリングをしながらラダートレーニングをしたりする方法もあります。YOUTUBEにも沢山の参考動画があるので是非検索してくださいね!
<著者プロフィール>
今田悠太
ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから“RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。
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