<筋肉痛の解消法>ストレッチや回復を早める食事の秘密とは?

2018年5月21日

ダイエットを一念発起してジョギングを行った……、翌日の筋肉痛が辛い…。
辛い筋肉痛の経験はありませんか??

辛さを感じてしまうとせっかく始めたダイエットも三日坊主の原因になりがちですよね…。

今回は筋肉痛を緩和するストレッチと解決方法をご紹介します。

筋肉痛はなぜ起こる??

久しぶりに運動をした後、翌日や翌々日に辛さを感じる筋肉痛のメカニズムはいくつかの仮説がありますが、完全な解明がされていません。

最も有力な説は

「筋線維とその周りの結合組織の損傷が、回復過程において炎症を起こし、この際に発生した発痛物質が筋膜を刺激する」
参考:wikipedia

とされています。

特に、筋肉の伸長性収縮によって筋肉痛になりやすいと言われています。伸長性収縮とは、筋肉が力を発揮しながらも、筋肉の長さ自体は長くなっている場合です。

例えば、上腕二頭筋を鍛えるためにバイセップスカールを実践するとします。
筋トレの例としてバイセップスカールの画像
重りを持ち上げる時は上腕二頭筋を収縮させて(力を出して)いるので筋肉の長さは短くなりながら力を出しています。ですが、重りを下ろすときには上腕二頭筋は伸びていますが力は出し続けていますよね。これが伸長性収縮と呼ばれており、筋肉痛を引き起こしやすいと言われています。

筋肉痛は短縮性収縮と等尺性収縮では起こらないという報告もあります。ですので、理論的には筋肉痛を避けたい方は可能であれば筋肉を縮める動作だけをしていれば筋肉痛は起きないということになります。
参考元: (Nosaka, Ken (2008). “Muscle Soreness and Damage and the Repeated-Bout Effect”. In Tiidus, Peter M. Skeletal muscle damage and repair. Human Kinetics. pp. 59–76. ISBN 978-0-7360-5867-4.

しかし、運動中に短縮性収縮のみで動くことは難しいので、現実的に筋肉痛が来ないトレーニングを行うのはなかなか出来ません。上腕二頭筋を鍛えるためのバイセップスカールをする際、ダンベルを持ち上げることはしても、下ろすことはせずにダンベルを床に落とすなどの工夫をすればもしかしたら筋肉痛が来ないかもしれませんね。。。ですが、伸長性収縮は日常動作やスポーツパフォーマンスには必須なもの。もし自分自身のパフォーマンスをアップさせたい場合は筋肉痛は避けて通れなさそうですね。

特に筋肉痛の最中の運動は痛みが酷く、症状を悪化させたり筋肉へのダメージを悪化させるようなイメージがありますが、実際のところそれが証明されているわけでもなく、実は筋肉痛の最中に運動をしたほうが回復が早いのではないかとされています。ですので運動はもちろん、ストレッチも取り入れていくと回復が早くなります

ですので、筋肉痛=これ以上運動しない方がいいサインではないようです。

「運動で生じた乳酸がたまり、酸素不足を引き起こし、痛みへと繋がる」、「筋収縮に伴う微小な筋肉の断裂から炎症を引き起こし痛みに繋がる」といった説もあります。

筋肉痛を緩和する方法

  • 体を動かす
  • マッサージする
  • クエン酸を摂取する

体を動かすことにより、筋肉に溜まった老廃物(乳酸など)の排出を促し、筋肉を解してあげることで改善につながります。

そのため、軽めのジョギングやウォーキング、ストレッチなどが有効だと言われています。

同じ理由でお風呂などでのマッサージは老廃物の排出を助け、筋肉痛の解消に役立ちます。
入浴後に冷たいお水をかけるなども筋肉の炎症を抑えるため、痛みの緩和が期待できます。

基本的には血流を良くし、老廃物を流すと共に新しい栄養素が筋肉に沢山運ばれて来るようにすることで筋肉は修復され、筋肉痛が緩和されると考えられます。

筋肉の修復にはタンパク質が必須。タンパク質なしには筋肉は成長しません。お肉や豆類などを積極的に摂って筋肉の材料を身体に取り込みましょう!

クエン酸はお酢や柑橘系のフルーツに多く含まれ、体の疲れの解消にも役立ちます。クエン酸を運動後に摂取することで乳酸値の低下が確認されており、一定の効果が期待できます。

その他には筋肉再生に役立つ栄養素を積極的に摂るなどの方法もあります。

十分に体を休めることで筋肉の疲れを解消してあげることも解決策の一つです。

久しぶりの運動で疲れた!と感じたら翌日は軽めのエクササイズとマッサージなどをメインにするとダイエット中の方はいいかもしれませんね♪

筋肉痛の予防と解消に役立つストレッチ

筋肉痛を緩和したり予防するためにはストレッチが有効
筋肉痛とはトレーニングによって筋繊維が損傷している状態です。
なので厳密に言うと、筋肉痛の痛みはストレッチによって軽減されるということはありません。

まずこれが皆さんにご理解を頂きたいポイントになります。

  • ストレッチでは痛みは軽減されない

では、なんのためにストレッチをするのか?ストレッチをすることが何が改善されるのか?筋肉痛の間に何もケアをしないと身体はどんどん硬くなっていって、筋肉痛が取れた頃には身体が少しずつ硬くなる傾向があります。

その原因は

  1. 損傷した筋繊維が回復する際に老廃物が筋繊維の周りに付着した結果
  2. 筋肉痛になっていることで、痛みを避けるために無意識にその筋肉の動きを制限してしまい、動かない事で固まってしまう

だと考えられます。

これらを改善出来るストレッチを紹介致します!

大腿四頭筋のストレッチ

大腿四頭筋のストレッチ
前もものストレッチです。

ウォーキングやジョギングなど下半身が筋肉痛の際に試してみてください。

広背筋のストレッチ

後背筋のストレッチ

背中の傷みの解消に役立つストレッチです。

筋肉痛だけでなく、肩こりや首の疲れの解消にも役立ちますので慢性的に疲れを感じる方やデスクワークの多い方にもオススメの覚えておいて損のないストレッチです。

上腕三頭筋のストレッチ

上腕三頭筋のストレッチ

こちらも肩、肩甲骨周辺のコリや筋肉痛の解消に効果的です。

上腕二頭筋のストレッチ

上腕二頭筋のストレッチ

地面と並行にした腕をグルグルと円を描くように回すだけです。

筋肉痛になってしまってからの解消法も大切ですが、運動前後の準備運動やクールダウンの運動を行うことで筋肉痛を未然に緩和することが出来ます。怪我を防ぐ目的でも、運動の効果を高めてダイエット効果を高めるためにも運動前後の軽めのエクササイズもセットで行う習慣をつけましょう!

静的ストレッチ+筋膜リリースで筋肉痛を改善

手順はこうです。今回は大腿四頭筋を例に行います。

1)筋肉痛の部位をストレッチ(軽く痛みが出て筋肉が伸びてるなというくらい)
筋肉痛を改善する足のストレッチ

2)痛む位置を軽く押す
筋肉痛を感じる部位を軽くマッサージ1

3)筋繊維に対して垂直にマッサージをする(優しく)
筋肉痛を感じる部位を軽くマッサージ2

4)その部位を使う動きを入れる(血流を促す)
筋膜リリース

筋肉痛の回復に役立つ食べ物

さて、筋肉痛の回復に役立つ食べ物。
これは皆さんもご存知のプロテインでしょう!!

筋肉の修復に不可欠なプロテイン。必須です。
プロテインの必要な量に関しては、こちらの記事もご覧下さい。

女性がダイエット目的などでプロテインを選ぶときのポイント

しかし、プロテインだけではありません。

炭水化物です。ん? 筋肉の修復とは無関係そうですよね。
でも炭水化物も実は必要なんです。

炭水化物を摂るとインシュリンがリリースされます。
インシュリンはタンパク質合成を促進する作用があり、筋肉を修復するのには必要です。

また、インシュリンには血管を広げる作用があり、血行を良くすることでより多い栄養素を運んで来ることが出来ます。

栄養摂取のタイミングと量も大事

筋肉痛を改善するには、タイミングも重要です。一番筋肉の修復の効率が高まる
トレーニング直後の30分以内に炭水化物とタンパク質を両方摂取することで、
インシュリンの分泌量が6倍になるというデータもあります。
さらに、その時に摂取する割合は
炭水化物(g):プロテイン(g)=3-4:1とい割合をオススメしています。(参考:Nutrient Timing)
例えば、ご飯100g(約炭水化物37.1g)と若鶏胸肉を50g(約11.5g)の割合です。

筋肉痛の時、休むべき?筋トレするべき?

ダイエットや健康のために!と始めたジョギングやエクササイズの翌日に筋肉痛が…。筋肉痛を引きずっているけれどトレーニングすべき??

そんな筋肉痛との付き合い方をパフォーマンスコーチとして活躍する今田さんにご紹介いただきます。
久々に運動したりすると翌日身体がバキバキに痛みますよね。
特に、慣れない運動や動作をすると筋肉痛が起こることが多く、次の日や、人によっては数日後に筋肉痛がくることもしばしば。

そんなとき、筋トレをしていいのでしょうか?
それとも完璧に筋肉痛が治るまで動かないほうがいいのでしょうか?今回は筋肉痛と筋トレ、どちらともうまく付き合って行く方法を書いていきたいと思います。

筋肉痛という現象はなんなのか

筋肉痛とはなんなのか。

それは、運動によって筋繊維が損傷した状態です。慣れない運動をしたあと、久しぶりに大笑いしたら腹筋が痛い、大掃除で身体が痛い、子供の運動会で走ったら次の日動けない程痛い。。。

痛い痛いづくしの筋肉痛ですが、運動の負荷に筋肉が耐え切れず、肉離れまでではないものの、筋繊維がちょっとだけ切れている/損傷している状態と言えます。

これは筋肉が強くなるには必要なもので、損傷した繊維を修復することによってさらなる負荷に耐えれるよう強くなって復活させます。
これが新しいストレスに適応するということであり、筋肉トレをする理由になります。

いつもよりもキツい環境に適応としようとすることで筋肉が発達します。

筋肉痛があるうちは筋肉トレしてはだめなのか?

結論からいいます。
筋肉痛があっても筋トレして。。。。。大丈夫です!!!!
ただし、注意するべきものがあります。

オーバートレーニングです。
回復する前にトレーニングをやりすぎてしまうと、壊れているものをさらに壊してしまい、逆に筋肉が発達せずにひどい場合は逆に細くなることもあります。

そこまでオーバートレーニングしてしまうのは、プロアスリートや年中無休で毎日何時間も部活している学生の子達くらいでしょうか。
どこからがオーバートレーニングというはっきりとした線引は経験や体質、パフォーマンス等から見分けるしかないので
一概にいうことが出来ません…。

なので一般的に健康のために筋トレをされている方は、筋肉痛があってもなくても、以下の休息期間を参考にしてください。
レクリエーションレベルのアスリートの方もこれで大丈夫です。

初心者向けのトレーニングの組み立て参考例

上半身: 2-3日間 休息
下半身: 3-4日間 休息

中級者/上級者の組み立て参考例

上半身: 1-2日間 休息
下半身: 2-3日間 休息

これにはちゃんと理由があり、上半身の方が下半身よりも回復が早いと言われているため、上半身のトレーニングの方が休みが短くても大丈夫なのです。
大学生だった頃、教授が上半身は心臓が近くて血流が豊富だからと言っていました。一理ありそうです。

筋肉痛があっても筋トレOK!

上記の間隔でちゃんと休ませながらであれば、筋肉痛があっても大体の場合は筋トレを行って大丈夫です。
その間に運動をしないと逆に身体が固まってしまって柔軟性が失われることもしばしば。

適度な運動は血流を促進して筋肉の回復を助ける効果もあるので筋トレを軽く行うというのもありです。
筋肉痛の間に運動や筋トレをしたほうが早く回復するなんてことも良くある話です。

軽くであれば上記の休息期間を無視してもなんら問題はありません!
いつもの半分以下の負荷や強度で行ったりするくらいならいいと思います。

筋肉痛を回復するためのまとめ

今回は筋肉痛を改善するストレッチと筋肉痛の回復に役立つ食べ物を紹介させてもらいました。箇条書きでまとめたいと思います。

  1. ストレッチ+筋膜リリース
  2. プロテイン+炭水化物

筋肉痛に怯えず、トレーニングを程よく続けてください!

<著者プロフィール>

今田悠太

ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。

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