腰痛体操ストレッチの習慣化で腰痛予防!

日々腰痛に悩まされている方は沢山いらっしゃると思いますが、腰の痛みは慢性化しがちです。なぜなら様々な筋肉たちが腰の周りに集結しているというのも大きな理由ですが、自分の動作の癖などまで関わってくるからです。今回は腰痛予防になる体操やストレッチを皆さんにご紹介していきます。

腰痛に関わりのある筋肉

腰痛に関わりのある筋肉は全ての筋肉!と言いたいところですがキリがないので、私が腰痛の原因として最も直結しやすい筋肉をピックアップしていきます。
腰痛に関わりの深い筋肉:腰方形筋・臀筋群・大腰筋・脊柱起立筋・腹斜筋

  1. 大腰筋:身体の中心にある筋肉。主に股関節の屈曲を行います。背骨と大腿骨を繋ぐ筋肉で腰に直接影響します。
  2. 大腿四頭筋:こちらは骨盤の角度に影響を与えます。大腿四頭筋が硬いと骨盤が前傾する傾向にあるので腰椎の圧迫が起きて腰痛になりやすいです。
  3. 内転筋群:こちらも骨盤の傾きに影響します
  4. 臀筋群(お尻周り):背骨と骨盤の繋ぎ目といってもいい仙骨の周りに位置します。ここがズレると簡単に痛みが出てしまいます。
  5. 腰方形筋・腹斜筋:腰がダルいなーと思ったら実は腰方形筋だったということがよく有ります。腰回りのコルセットのような役割もするので負担がかかる筋肉です
  6. 脊柱起立筋:背骨を支えます。
  7. ハムストリングス:骨盤の傾きに影響します。姿勢をつくるための筋肉といってもいいでしょう。

こうみると、身体のほとんどの筋肉じゃないか!と思われそうですがこれが主な腰痛に直結しそうな筋肉たちです。要するに骨盤か腰椎に付着している筋肉が大きく関わっているということになります。腰痛対策をするのであればこれらの筋肉をバランスよく緩めたり使ったりしなければいけません。ではどのような体操をすればいいのでしょうか?

腰痛体操のポイント

腰痛体操のポイントは、「一つの筋肉だけにこだわらない」ことです。色んな筋肉が腰痛に関わっているので出来るだけ全部の筋肉をストレッチしたり体操をし、特に硬い筋肉は重点的にアプローチします。動作は基本的にはゆっくりと、呼吸を止めずに行います。動きが硬いなと感じたら、息をじっくりと吐きながらやってみて下さい。リラックス効果で筋肉がゆるむので柔軟性が増しやすいです。

大腰筋をほぐす腰痛ストレッチ

まずはなんといっても身体の中心に位置する深層筋、大腰筋をストレッチしましょう。大腰筋は背骨や骨盤の角度に影響を与えるパワフルな筋肉。目で見ることはできないので日頃意識することはありませんが腰痛を予防するためには一番に考えたい筋肉です。

①大腰筋ストレッチ

ランジストレッチは立ったまま出来る腸腰筋ストレッチ
1)片足を後方へ伸ばし、アキレス腱ストレッチをするような形になります
2)足を下げた方の股関節前側(図中:黄色の箇所)がストレッチされるように前方へと体重をシフトします
3)ゆったりとした動作で前後に体重移動をして、伸ばしたり緩めたりを繰り返しましょう
4)慣れてきたら両手を天井へ向けて上げていいのですが、反り腰だけには気をつけるようにしてくださいね

②フォームローラーを使った大腰筋ストレッチ

フォームローラーを使った大腰筋ストレッチ
1)フォームローラーに仰向けに寝ます
2)両足を伸ばしてリラックスします
3)ゆっくりと片膝を曲げて片手か両手で胸の方へと引きつけます
4)反対の足の股関節が伸びるように膝裏を地面へと近づけるイメージで伸ばしましょう
5)反り腰にならないよう、そしてローラーから落ちないよう注意しながら行って下さい
6)足を入れ替えて反対の股関節の前側も同様にしてストレッチしましょう

大腿四頭筋をほぐす腰痛体操

次に腰痛に影響を与える割合が高い大腿四頭筋。特に日本人は大腿四頭筋を使って生活する傾向が強く、太ももが発達しやすい傾向にあります。大腿四頭筋をしっかりとほぐして腰痛対策をしましょう

1)寝て行う大腿四頭筋ストレッチ

寝て行う大腿四頭筋ストレッチ
①うつ伏せに寝ます
②踵を自力でお尻に近づけるようにして、ハムストリングスを収縮させましょう
③これ以上自力ではいかないと思ったら、自分の手で足首をもってお尻に近づけます
④手を話し、自力で3秒ホールドする努力をしたらゆっくり伸ばしていきましょう

2)ダイナミックに行う大腿四頭筋ストレッチ

立った状態で行う大腿四頭筋のストレッチです。片足立ちになるのでバランス感覚が要求されます。
ダイナミックに行う大腿四頭筋ストレッチ
①片足立ちになって膝を曲げ、踵をお尻の方へもっていきます
②反り腰に注意して背筋をまっすぐに伸ばして太ももの前側が伸びるようにします
③そのまま反対の手は天井へ向かって伸ばし、お腹も一緒に伸ばします。こうすることによって太ももと繋がるラインが一気に伸ばされます
④反対も同様に行いましょう

内転筋群をほぐす腰痛体操

さて、次は内転筋群です。こちらも大腿四頭筋と同様骨盤と大腿骨を繋いでいます。緊張したり短縮すると骨盤の向きを変える要因となり、腰痛を引き起こします。中には内転筋のリリースをしただけで腰がその場であっという間に治った方もいました。

1)左右シフトで内転筋ストレッチ

左右シフトで内転筋腰痛体操ストレッチ
①肩幅広めに足を広げます
②股関節から曲げるようにしながら上体を前に倒します
③左右に体重移動をして体重をかけた方の足の内転筋がストレッチされるようにしましょう
④動作はゆっくりと行い、3秒かけて反対側へ体重移動するくらいのスピードでやってみてください

2)仰向け股割り

仰向け股割りで内転筋群をほぐす腰痛体操
①仰向けに寝て足を広げて下さい
②内転筋が伸びるようにしながら両足を開き、ストレッチを感じます
③お尻や足の外側の筋肉を使うことで足を自力でもっと開くように力を込め、3秒ホールドします
④一度リラックスをして力を抜いたら同じように繰り返しましょう。

※ポイント:はじめは重力に任せて足の重みを感じながらストレッチをして、それ以上いかなくなったら自力で足を開くようにしてみましょう

腰回りの筋肉(腰方形筋・腹斜筋)をほぐす腰痛体操

腰周辺のインナーマッスルである腰方形筋や脇腹周辺の腹斜筋などをほぐすストレッチ方法をご紹介していきます。

1)バーを利用した体側ストレッチ体操

腰方形筋や腹斜筋をストレッチするためには身体の側面をストレッチしたり動かすのですが、バーがあるととてもやりやすくなるのでオススメです。今回はバーで行う体側ストレッチ体操をご紹介します。
バーを利用した体側腰痛体操ストレッチ
バーを肩幅よりも広めにもちます
頭上にバーを持ち上げます
体重を右足に乗せながら、身体を左へ倒していきます
肋骨の隙間があいていくようなイメージで行います
腰方形筋がぐっと伸ばされるのを感じましょう
反対も同様に行います

2)バーを利用した体側ストレッチ体操②

バーを利用した体側腰痛ストレッチ体操
①バーを先程同様、肩幅よりも広めに持って頭上へ
②左足をクロスさせて右足よりも右側へ置きます
③そのまま身体を左へ倒していきます
④先程同様、肋骨の隙間が開いて身体が綺麗なアーチを描くようにします
⑤そこからボウリングを投げるように捻りを加えていきましょう。これで腹斜筋も一緒に伸びます

3)うつ伏せ腕伸ばし

うつ伏せ腕伸ばし腰痛体操ストレッチ
①うつ伏せになって両手で地面を押して身体を反りましょう。腹筋が伸びると思います
②腰がつまってしまう方もいると思うので出来るだけ背骨が一つ一つ離れるようなイメージでそります
うつ伏せ腕伸ばし腰痛体操ストレッチ
③腕を遠くへ伸ばします。遠くのもの(届かないもの)へ手をのばすイメージです
④右手を出したとすれば、今度はその右手を左前方向へ伸ばします
⑤脇腹あたりが伸びるのを確認したら
⑥腹式呼吸をしてお腹に空気をいれて膨らませます
⑦お腹の筋肉が硬い方は張りを感じるのでホールドします
⑧反対も同様に行いましょう

脊柱起立筋をほぐす腰痛体操

脊柱起立筋群は背骨に沿うように存在している筋肉群で背筋を伸ばす働きなどを担っています。

1)背骨ウェーブ

背骨ウェーブは脊柱起立筋をほぐす腰痛ストレッチ体操
①四つ這いになります。両手は肩の真下。両膝は股関節の真下に来るようにします
②まずは背中を思いっきり丸めてみましょう。
③視線は自分のおヘソの方向へ
④骨盤も出来るだけ後傾させます
⑤ここからがウェーブです。頭から順に反っていきます
⑥背骨一つ一つを順番にそらしていくように、頭から頚椎へ、頚椎から胸椎へ、そして腰椎から骨盤へ伝わるようにゆっくりと一つ一つ動かしていきます
⑦頭からお尻へとウェーブが伝わったら、今度はお尻から頭の方へウェーブを伝えましょう

2)胸椎のローリング体操

胸椎のローリング腰痛体操ストレッチ
①両手を胸の前で交差させます
②みぞおちより上だけを動かすイメージ
③身体をぐるぐると回していきましょう
④頭が上半身の動きを誘導するようなイメージでやりましょう

お尻周辺の筋肉(大殿筋・中殿筋・梨状筋)をほぐす腰痛体操

お尻は腰痛に無関係のように感じるかもしれませんが、骨盤周辺の筋肉が腰痛と関わっている場合も多くあります。

1)お尻のストレッチ

腰痛体操ストレッチ:お尻のストレッチ
①仰向けに寝て片足を膝にのせます
②のせた足の膝を外に開くように力をいれながら
③もう片方の足を曲げて膝を胸元へ寄せていきます
④お尻の筋肉が伸ばされているのが感じれたらOKです
⑤伸ばしては緩める、伸ばして緩めるを繰り返しながら徐々にお尻が伸びていくのを感じます

2)クロスランジ

ランジのバリエーションでお尻のストレッチ体操が出来ます。
クロスランジでお尻のストレッチ体操
①立って正面を向きます
②つま先は常に正面を向くように意識しながら
③足を前後に交差させます
④ゆっくりと膝を曲げてお尻を下げていきます
⑤前足のお尻が伸びやすいはずですのでそちらを意識しましょう
⑥立ち上がって反対も同様クロスさせてクロスランジを続けてくださいね

1)仰向けハムストリングスストレッチ

仰向けハムストリングスストレッチで腰痛体操ストレッチ
①仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せて両手で抱え込みます
②ゆっくりと膝を伸ばしていきます。この時に太ももが胸から離れないようにしっかりと押さえておきましょう
③3秒で伸ばし,3秒ホールドして、3秒で膝を曲げます。ゆっくりとしたペースで行いましょう

2)トータッチ

今度は少しダイナミックに動きます。スポーツのウォーミングアップにも使われていますね。
トータッチで腰痛体操ストレッチ
①立って正面を向き
②膝を伸ばしたまま足を蹴り上げます
③つま先を触るようにして手を伸ばしますが、上体が丸まったり骨盤が後傾したりしないよう気をつけます
④振り上げた足をかかと落としするかのように振り下ろします。この時も膝が伸びたままであるように意識してください。ハムストリングスにテンションがかかってストレッチされるはずです。
⑤反対の足も同様に行いましょう

腰痛体操を習慣化するメリット

腰痛体操を習慣化するメリットはまさに腰痛予防になるとういことです。身体全体の筋肉をほぐすの腰痛予防になります。でもそれだけではありません。これらの体操を続ければ全身の血液のめぐりが良くなるので血流促進効果があります。普段運動が嫌いな方でも簡単な腰痛体操なら出来るのではないでしょうか? 血流が良くなるということは代謝がアップします。代謝があがるということはダイエット効果や健康促進にもなります。

他にも、肩こりが改善されたり、首が回りやすくなったりします。実はこれらは膝の痛みを緩和したり予防する効果も期待出来ます。腰痛体操に限ったことではありませんが、全身をまんべんなくストレッチや体操するということは、身体全体の機能が整うということ。

朝起きて10分程度、寝る前に10分程度でいいので毎日の習慣にしてみませんか?私は起きたら一本テレビ番組をみるのですがその間は全身を整える全身ストレッチ体操の時間と決めています。そのおかげか柔軟性もアップして気持ちがいいです。せっかくやっているのだからと思うとさらにジムでトレーニングをする時間を増やすきっかけにもなり、いいサイクルです。

<著者プロフィール>

今田悠太

ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから”RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。