肩こり解消ストレッチ7選!根本的に肩こりを解消する習慣とは?

2018年6月1日

スマホ、パソコン、ゲーム等が生活の一部になっている昨今、肩こりと無縁の生活を送るのはとても難しくなっています。
少し肩がダルい程度であれば気にせず付き合っていけるかもしれません。ですが、肩こりの状態が悪化することで頭痛やめまい、吐き気にまで発展するケースも多々あります。私生活に支障をきたし、QOL(Quality of Life: 生活の質)の低下につながってしまいます。
当記事では、具体的なストレッチ方法の解説、そして肩こりが悪化してしまう理由などを詳しく掘り下げていきます。

1.手軽な肩こり解消ストレッチ

まず最初に論より証拠!肩こり解消ストレッチの具体的な方法からご紹介していきます!記事の後半では、肩こりの起こるメカニズム・改善のためのポイント、注意点などをご紹介していきます。ストレッチやエクササイズを実践する事も重要ですが、”知る”ということも改善の第一歩につながります。メカニズムを理解して改善につなげてください!

①ヨガのワシのポーズ(上半身のみ)

✔ストレッチされる主な筋肉:菱形筋、三角筋、僧帽筋
ヨガのワシのポーズで菱形筋、三角筋、僧帽筋をほぐして肩こりを改善するストレッチ
1)背筋を伸ばした状態で手を胸の前で交差させて、可能せあれば手のひらを合わせましょう。少し複雑なので写真を参考に真似してみて下さい。
2)うまく合わせれたら両腕を前方へ押し出すようにして肩甲骨を前方へスライドさせます。背中を丸めるイメージです。
3)そのまま肘を約90°に曲げ、天井へ向かって肘を高くあげていきましょう。肩甲骨の周りや肩がストレッチされていることを感じましょう

※注意点:ショルダーインピンジメント症候群など、肩の痛みがある場合は専門家にみてもらってこのストレッチがその痛みを悪化させないかどうかを確認するようにしましょう。

② バンザイ+側屈ストレッチ

✔ストレッチされる主な筋肉:広背筋、三角筋、僧帽筋
いわゆる背伸びから横に身体を倒すストレッチです。無理もなく気持ちのいいストレッチです。
バンザイ+側屈ストレッチで広背筋、三角筋、僧帽筋をほぐす
1)両手を天井へ伸ばし、バンザイをしましょう。腕の幅は肩幅のままで。
2)片腕をつかんで、挙げた腕と反対方向へ身体を側屈していきましょう。
3)肩や身体の側面がストレッチされる感覚があればOKです。
4)よりストレッチをしたければ伸ばしている腕を曲げてみましょう。より伸ばすことが出来ます

③手を組んで地面へ腕伸ばしストレッチ

✔ストレッチされる主な筋肉:僧帽筋、肩甲挙筋、前腕の屈曲筋、大胸筋、三角筋の前部
手を組んで地面へ腕伸ばしストレッチは僧帽筋、肩甲挙筋、前腕の屈曲筋、大胸筋、三角筋の前部をほぐす
1)背筋をすっと起こし、両手を身体の後ろで組みましょう。このとき、肩が内旋(内むき)にならないよう胸を張るイメージで組んで下さい
2)手を組んだまま手の平を裏返しにして、手の平を地面へ向けます
3)姿勢を維持したままぐーーーっと地面へ両肩をおろしましょう。

2.オフィスでも実践しやすい肩こり解消ストレッチ

オフィスでも実践しやすい肩こり解消ストレッチといえばやはり椅子や机を使ったストレッチです。長時間パソコンや机での事務仕事をしながらたまにストレッチをいれてあげることで肩こりが解消/軽減されやすくなります。1時間ごとに5分程度の小休憩をいれてストレッチを取り入れてみるのはいかがでしょう?

④イスに座ってできる首のストレッチ

椅子に座ったままいつでも出来る簡単ストレッチ。首を様々な方向へ倒すことで首周りの筋肉をほぐして血行促進します。肩こりがひどい方や肩や首のダルさから偏頭痛が来る方は常に首をほぐすよ心がける必要があります。
✔ストレッチされる主な筋肉:肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、広頚筋、僧帽筋、頭板状筋
首まわしストレッチで肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、広頚筋、僧帽筋、頭板状筋をほぐす
1)まずは頭頂部が紐で天井から吊られているかのように、首をピンと伸ばしましょう。首の骨と骨の間が出来るだけ隙間が広がるようなイメージです。ここをニュートラルのポジションとします。
2)そのままゆっくりと頭を後ろへ倒していきます。
3)そして今度は顎を胸に近づけていくように頭を前方へ倒します
4)ニュートラルのポジションに戻したら今度は左右に倒します
5)そして最後に360°首をまわします。ポイントは、ゆっくり、そして大きくです。首を回しながら、よりストレッチを感じる固い部分を見つけたら、手などを使わずにその方向に力を込め続け、少し緩んだらまた回し始めましょう。

※注意点:首はとてもデリケートな部位です。激しく動かしたり、力をいれすぎたりすると思わぬ怪我をすることがあります。動作はゆっくりじっくり。痛みが生じたら無理にその方向へ動かすのはやめましょう。

⑤イスに座ってできる肩のストレッチ

個人的に最も気に入っている肩のストレッチです。普段動かさない方向へ動かすのでかなり固い気がすると思いますが、このストレッチをするととても肩周りがほぐれます。
✔ストレッチされる主な筋肉:三角筋、大円筋、小円筋、広背筋、大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋
椅子を使ったストレッチは三角筋、大円筋、小円筋、広背筋、大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋をほぐす
1)背もたれのある椅子の背もたれの部分か、座る部分に両手を乗せます。指が向かい合わせになるようにします。肩が硬くて向かい合わせに出来ない場合はできるだけ向けるようにしてみましょう。
2)背筋を起こしたままゆっくりと身体を落としていきましょう。肘が出来るだけ天井を向くようにするとよりストレッチが効果的です。
3)身体を落としていく時に注意したいのが背中を丸めてしまったり、肩を内巻き(内旋)させてしまうことです。狙っている部分がストレッチされなくなるので注意しましょう。

2.器具やグッズを使った肩こり解消ストレッチ法

身体一つでできるストレッチと異なり、器具やグッズを使うことでより効率的に目的の場所のストレッチや筋肉の緊張をほぐす事に役立ちます。

テニスボールを使った肩こり解消ストレッチ

テニスボールを使って肩こりを軽減しましょう。
テニスボールは肩こり解消ストレッチにも活用できる!
テニスボールを使う場合は、トリガーポイントと呼ばれる”コリ”となって痛みを感じている部分に圧を加え、そのポイントをマッサージして緩めたり、圧を加えたままその筋肉を動かすことで緩める方法があります。テニスボールはお手軽で硬さもちょうどよくマッサージには適しているので2つはもっておくといいですね。

⑥肩甲骨の間をほぐすテニスボールマッサージ&ストレッチ

テニスボールを使ったストレッチで肩甲骨の間をほぐす
1)まず肩甲骨周辺の背骨の両脇にテニスボールが当たるようにセットします。
2)ボールが痛みのある部分にあたるよう調節します。
3)息を吐きながらゆっくりと体重でテニスボールが身体にめりこんでいくように筋肉を緩めつつポイントに圧を加えましょう。
4)圧を加えたらゆっくりと腕で”W”を作り、上下に腕を動かしましょう。
5)そのまま腕を前方へ。肩甲骨を開くために両腕を前方へ伸ばしきります。

⑦テニスボールマッサージ&ストレッチその2

先程のストレッチと同様に、痛みの感じるトリガーポイントにテニスボールをあてた状態で腕をクロスさせてストレッチしていく方法もあります。
テニスボールを使った腕をクロスさせたストレッチ
テニスボールを使ったストレッチは以下でより詳しく解説していますので、ご参照いただければと思います。
テニスボールを使った肩甲骨ストレッチ&マッサージが肩のコリに効く!

以下のようなボール状の適度な固さのストレッチ器具も販売されています。

トレーニングチューブを使った肩こり解消トレーニング

チューブは手軽に肩に負荷をかける事が出来ます。強度も好みや状態に合わせて選ぶことも出来ますし、100円均一などで簡単に手に入ります。

①ベントオーバープル

✔鍛えられる主な筋肉:僧帽筋、三角筋、菱形筋
この種目は少し肩が強くないと難しいですが、思いっきり力をいれないと出来ないのでいい意味で大変な種目です。
トレーニングチューブを使ったベントオーバープルで肩こりを根本解決する筋トレ方法の画像
1)チューブを両手にもち、肩幅より広めに腕を広げます。
2)両腕を頭上にあげ、二の腕が耳の横に来るようにセッティングしましょう
3)その位置を保ったまま上体を地面と平行になるくらいまで倒します
4)チューブを引き離すように出来るだけ強くひっぱりましょう
5)10秒の3セットを試してみてください

②膝つきローイング

膝つきローイングで肩周辺の筋肉を鍛えて肩こりを改善する
1)チューブを固定出来るところにひっかけて先端を両手に持ちます。
2)膝を付き(立っても問題はありません)、ゆっくりと肘を後方へ引いていきます。この時に肩甲骨が寄るように、そして肩は下ろすように意識しましょう
3)これ以上引けないところまで引いたら、ゆっくりとバンドをコントロールしながら腕を伸ばして戻していきます。
4)引いた時に肩があがりやすいので必ず注意するようにしてくださいね

3.肩こりの改善にはストレッチだけでなく筋トレも…!

肩こりの改善にはストレッチだけではなく、筋トレも必要です。特に肩を正しい位置にキープするための肩甲骨周りの菱形筋やローテーターカフと呼ばれる筋肉の集まりは鍛える必要があります。
肩こりと関わりの深い肩のインナーマッスルであるローテーターカフの図解
さらに腰椎の反り具合や首の位置、膝の伸展具合など、肩以外の筋肉も関係しているため、改善するためには様々な部位を筋トレする必要があります。肩こりに関わる全ての筋肉にアプローチすると話しが長くなりすぎるので、今回は肩周りの筋肉に限定して筋トレをご紹介します。

<悪い姿勢の習慣化>
私たちの身体は使わないと退化していきます。これはどんな身体の機能でも同じです。姿勢が悪くなるということは、正しく姿勢を保つための筋肉が退化しているということです。さらに、姿勢の悪い位置へ骨格が”変形”(厳密には変形ではありませんがそのようなニュアンスということで)してしまうと身体はその状態を正しいと認識し、関節はその状態で固まり、筋肉もその状態がいいと思ってしまいます。ますます良い姿勢には戻れなくなり、悪くなった姿勢はそのままになってしまうわけです。

そこで必要なのが、本来あるべき位置に肩があるべきなんだという認識を身体にさせること。これが大事です。そのためには、筋肉に再教育するんです。本来の可動域はここまでなのだと。そのための筋トレであり、本来の可動域で筋肉が使えるようになると姿勢は自ずと改善されていきます。まずは自分の可動域を最大限にコントロール出来る筋力をつけましょう。

本記事は「肩こりストレッチ」と題していますので、THE筋トレという内容ではなく、周辺の筋肉の柔軟性を高め、動きを理解する目的のエクササイズを中心にご紹介していきます。エクササイズの回数・セット数を記載していませんので、習慣として取り入れてみてください。

①自力で肩回し:可動域チェック+筋トレ

自力で肩はどのくらい回るでしょうか?肩周りが固まっていると自力で動かせなくなったりします。肩をゆっくり大きく回して自分の可動域を調べつつ鍛えましょう。
自力で肩回し:可動域チェック+筋トレ
1)肩を屈曲させます。気をつけをしたあと、親指は前方へ。ゆっくりと腕を伸ばしたまま挙げてきます。
2)いけるところまで力を込めて挙げたら、腕をくるっと回して小指が後ろを向くようにし、腕をおろします
※注意点:肩は非常に繊細な関節です。動作中に痛みが伴う場合は専門家の指導がない限り中断することをオススメします

②Y字後方プッシュストレッチ筋トレ

Y字後方プッシュストレッチ筋トレで肩こりを根本解決する
1)両腕をYの字に広げます
2)ゆっくりじっくりと、Yの字を後方へ後方へと押し込んでいきます
3)これ以上いけないと思ったところからが本番。そのポイントよりもさらに後方へ力を入れて、能動的に腕を後方へさらに動かせるように頑張ります。きっと辛いとは思いますが、最低でも10秒は頑張ってみて下さい。

③バケツ回し筋トレ

バケツ回しは肩こりに効く筋トレの一つ
バケツに水を入れて振り回して、水が降ってこない~みたいなことを子供の頃にやりませんでしたか?これって実は肩をほぐすのに使えるんです。ただし、肩に痛みを抱えていない方限定です。もし、痛みがあるようでしたら悪化するのでやめましょう。

肩周辺のインナーマッスルを鍛える

肩周辺のインナーマッスルと呼ばれるローテーターカフを鍛えることで肩コリ予防に繋がります。肩関節の位置が安定して正しい位置にあれば自然と首や肩にかかる負担は減っていきます。そのためにも、肩周辺のインナーマッスルは鍛える必要があります。

① 腕開き

腕開きトレーニングで肩周辺のインナーマッスルを強化すると肩こり改善に役立つ
1)肘を脇腹にくっつけて肘を直角にします。手はグーにしていると力が入りやすいと思いますが、しなくてもOkです。
2)ゆっくりと手を開いていきます。
3)三角筋の後ろ側がぎゅーーっと収縮するように力を込めて開き続けます。
4)出来る限り、可動域を増やす意識で思いっきり力をいれましょう。初めは筋肉が攣りそうになると思いますが、続けていくと次第に攣らなくなっていきます。

②T字後方プッシュ

以前Y字をご紹介したと思いますが今度はT字です。
T字後方プッシュで肩周辺のインナーマッスルを強化する方法
1)腕を横に開いて、拳と拳を遠くへ遠くへ伸ばすようにします。
2)肩はしっかりと下ろしたまま、親指を前方へ向けたまま両腕を後方へと押していきます
3)力をいれ続け、とにかく拳を身体の後ろで近づけれるようにします。

バーピーなどの全身運動も効果的

全身運動は身体全体の筋肉を鍛えることが出来る上にさらに血流もよくしてくれます。覚えていますか?肩こりの原因は血流が悪くなっている場合もあるんです。バーピーのような全身を使う動きをすることで全身へ刺激を与え、汗を書いて体温をあげることで血行がアップ。肩こりも取れやすくなります。
バーピーの実践方法

1)立った状態から
2)しゃがんで両手を足の横に付き、
3)足を蹴り出してプランクへ。このときにお尻が落ちたり腰椎がそったりしないよう気をつけて下さい。
4)2)の体勢に戻り、そのまま立ち上がります

4.肩こりが起こってしまうメカニズム

肩こりなどが起こるメカニズムと歪みの関係
肩こりになってしまう原因を分解し解説していきます。上記の図にあるように、肩こりは基本的にこのようなサイクルで生じます。

①悪い姿勢・運動不足・筋力低下・筋バランスが崩れる・疲労
②それらの要因によって、肩周りの血管が圧迫されたり、筋肉が過剰に働き続ける必要が出てくる
③すると老廃物などが流れにくくなったり、筋肉の疲労がおきる
④それらの老廃物や疲労物質が神経を刺激したり、筋肉の硬直が直接神経を圧迫したりして痛み発生
⑤すると神経は首や頭へも繋がっているので肩こりがひどくなると頭痛、吐き気まで起きる

というようなメカニズムです。ということは大きく分けると重要なポイントは2つに絞られます。

<肩こり改善の重要ポイント>
✔良い姿勢(筋バランスや骨格のバランス)
✔血流を促す
これらが肩こり生活を改善するためのキーワードです。

『そんなの今更当たり前でわかってる!』『…でもなぜか改善されない!』という方も多くいらっしゃるかと思います。
ですが、ご自身の体に変化をもたらす具体的で効果的な手法(筋バランスや骨格の改善、血流を促すための具体的な方法など)が見つかっていないのではないでしょうか?
肩こりを悪化させてしまう猫背の人の図
肩こりは生活習慣病と同じようなものだと捉えると理解しやすいと思います。
例えば、整体・カイロなどに行き、一時的な改善が得られたとしても根本原因である生活習慣が変わらないことには、本質的には改善が得られません。
以上から、ご自身の身体の特徴や原因となっている生活習慣を探って理解する必要があります。
骨格は人それぞれ、ベストな姿勢をみつけれるのはあなたしかいません。専門家はその手助けをしてくれるだけです。

肩こりに関わりのある肩周辺の筋肉について

肩こりは身体の全てのバランスから来るため、【肩周辺が悪い=肩こり】 ではない可能性もありますが、肩こりの原因となりえる肩周りの筋肉をご紹介致します。

まず、皆さんが肩こりの時にダルいな〜と感じるのが【僧帽筋上部か肩甲挙筋】です。
特に僧帽筋上部は肩全体を覆っているような形になっており、頭を支える役目を大きく果たしているだけではなく、腕も支える筋肉です。姿勢が悪くなって猫背になると、まず負担が来ます。以下の図を見てみてください。肩周りの筋肉が複雑に重なっているのが見えます。これらは頭や腕など、重たい身体のパーツを正しい位置にとどめておく役割を果たします。しかし、姿勢が崩れたりするともちろんその筋肉たちは疲労し、肩こりという結果を招くわけです。

肩こりの根本解消にはマッサージよりストレッチや運動習慣が大切!

肩こり根本解消には局所マッサージは効き目がほとんどありません。なぜならマッサージは肩こりへの対処法だからです。
もちろん一時的には筋肉はほぐれますし、気持ちよく感じると思います。

肩が軽くなって気分も上々。ですが、やはり肩こりは生活習慣からきます。肩こりの根本解消は普段のメンテナンス次第です。マッサージを否定しているわけではありません!誤解はしないでくださいね。中には全身のマッサージをすることで身体のバランスを整えてくれる凄腕のセラピストの方もいらっしゃいます。ただ、それを持続するのはあとは自分次第ということです。
記事前半でご紹介した肩こり解消のための2つのポイントを思い出してください。

✔良い姿勢(筋バランスや骨格のバランス)
✔血流を促す

この2つを保つためには、やはりストレッチや運動習慣が大切なのです。

肩こりにならないための生活習慣

肩こりにならない生活習慣のポイントをまず紹介すると以下の3点があげられます。

✔首の前傾に注意する
✔猫背に注意する
✔寝てばかりにも注意が必要!

肩こりにならない生活習慣を知るために、肩こりを助長してしまう生活習慣をピックアップしてみましょう!

①首の前傾(デスクワークやスマホ使用が多い生活)

私たちの頭は4-5キロの重さがあると言われています。その重たい頭を首や肩周り(主に僧帽筋)が支えているのですが、姿勢が悪くなったらどれだけ首に負担がかかっていると思いますか?とあるサイトに頭が前方へ傾いたときにどれほどの負担が首にかかっているかを表した図を作成してみました。
頭が前方へ傾いた場合の肩への負担を図解
海外のサイトからデータを引用してみましょう。

0°で約4-5キロ
15°で約12キロ
30°で約18キロ
45°で約22キロ
60°で約27キロ
(データ参照:wtvr.com/2015/02/19/heres-exactly-why-the-weight-of-your-head-is-causing-problems/)

45°の首の前傾で約22kg、首の前傾が無い場合と比較して約17kg程度の負担が増えます。あなたの頭が4-5kgだとすると、首の前傾が大きくなればなるほど、頭を支える首や肩周りの筋肉(僧帽筋など)に大きな負担がかかることになります。

この事実を知ると、デスクワークやスマホのように首が前に傾く生活習慣がいかに肩こりに影響しているかがわかるのではないでしょうか?この姿勢で1時間、2時間、3時間・・・多い人なら8時間維持することでしょう……。首や肩を支える筋肉に負担が及ぶ事が直感的に理解できると思います。
首の前傾による影響の大きさを理解し、前傾しないように意識することは肩こりの予防の第一歩になります。

②猫背: 姿勢が悪いだけで負担だらけ!

一つ前の項目で首の前傾と肩こりの関係を解説しましたが、身体全体のバランスについても注意が必要です。

頭が下がると首が下がります。

身体はひとつながりで連動しているため、やがて背骨・腰の周辺などに影響が及びます。

首から始まる前傾は、体全体の歪み、すなわち猫背を誘発する可能性を高めます。そして、その姿勢が続くことで体はその姿勢を当然のものとして受け入れ、悪い姿勢が固定化されます。すると猫背が当然の姿勢として体に刻まれていくことになります。

③ 普段姿勢が良くても寝てばかりでは肩がこる!

普段姿勢のいい方でも寝る時間が多い人は肩がこりやすいです。寝ている間は自分の体重が肩周りを圧迫しますし、首も枕が自分にあっていないと変な角度になって負担になります。
寝過ぎも肩こりの原因の一つ
体に何らかの寝具が接することは、血流の悪化に大なり小なり影響をおよぼすため、血流の悪化、首の確度への悪影響などが考えられます。
寝具に気を使ったり、枕の高さなどを自身の体に合うように調整することも肩こりの解消に重要です。寝具の最適化は一様に『コレを選べば正解!』とお伝えすることが困難ですので、枕選びや寝具選びに定評のある寝具店などに相談し、実際に試させてもらうことでベストを探ることも重要です。

肩こりの要因は様々ですが、まずはここまでに解説させていただいた3点(首の前傾、猫背、寝すぎや寝具による影響)を意識することは、多くの人にとって肩こりの根本原因を取り除く最初の一歩として役立ちます。

生活習慣に潜む肩こりの根本原因を排除できるように意識しつつ、ストレッチや運動などを取り入れることが重要です。もちろん、身体の状態は人それぞれですので運良くピタッとハマれば、特定のエクササイズだけで肩こりが改善することもありえます。ただ、万人に当てはまる訳ではありませんので、原因を探る事はとても重要です。

肩こり解消のまとめ

肩こりとは無縁の欧米人と違って日本人は多くの方が肩こりになやまされています。生活習慣を見直し、運動やストレッチを取り入れて血行をよくして姿勢を維持する骨格筋を鍛え、正しい姿勢をとれるような身体をつくりあげればきっと首や方への負担は低くなります。マッサージや治療院に通うのもありですし、腕のいいところへいけば治るでしょう。しかし、再発させる原因となるのは生活習慣。治療したあとに肩こりフリーの生活ができるかはあなたのメンテナンス次第なのです。

皆さんは是非、これらのストレッチや筋トレを実践して肩こり解消をしてください。今回はあえてほとんど回数やセット数は記載しておりません。なぜなら、これはこまめに続けるものであり、回数に囚われて辛くてすぐやめてしまうのではなく、習慣として取り入れてほしいものだからです。数が決まっていたらやらないかもしれません。しかし、数が決まっていないことで、『気がついた時に気持ちいいからやる』という感覚を持って頂きたいと思っています。これからは予防医学の時代です。自分の身体は自分でメンテナンスする。そんな時代がきています。一人でも多くの方が肩こりから解消されるよう願っています。