筋トレで腰痛を改善する方法〜インナーマッスルの強化がカギ!

2018年5月20日

プロ格闘家や個人の方向けのフィットネス指導、スポーツメーカーへのトレーニングプログラムの提供をしているCORE N’CODE(コアアンドコード)さんに腰痛に有効な筋トレの解説をお願いすることになりました!

腰痛の改善のためには「筋肉を強化する事」と「筋肉をほぐす事」がポイントとなります。今回の記事では【筋トレ】でインナーマッスルを強化し、【腰痛を改善する】事を主軸にした3つのトレーニングメニューをご紹介します。

筋トレで腰痛を改善させるには?

「腰痛は腹筋が弱いから。」というセリフを多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか?

その言葉を信じて、シットアップ(腹筋)などの筋トレを行ったら「余計に腰が重くなった、痛くなった」という経験がある方も多いのではないでしょうか?
いわゆる腹筋運動(シットアップ)で腰痛が悪化してしまう場合も
日本では、ほぼ全ての人が腰痛を経験するようです。

実際には、椎間板ヘルニア・すべり症・変形性腰椎症などの病名があります。これらの病名に共通することは「神経に触れる」、「神経を圧迫する」という点です。

では神経に触れないようにするには、どうしたら良いのでしょう??

それは脊柱や骨盤を安定させるインナーマッスル(正確にはインナーユニット)を作り上げることです。

シットアップはアウターユニットが中心に働き、さらに腸腰筋が硬い人にとっては逆効果になるリスクさえあります。

インナーユニットをしっかりと作り上げて、脊柱・骨盤をニュートラル(正常な位置)に保つことで、脊柱管を通る神経の束や椎間板の神経を刺激しないようになります。

筋力強化による腰痛改善までの流れ
    インナーユニット(インナーマッスル)の強化によって、以下の様な流れで腰痛は改善されていきます。

  • 1:脊柱や骨盤を正しい位置に保つ事ができるようになる
  • 2:神経の束などを刺激しないようになる
  • 3:腰痛の根本が改善されていく
そのため、「正しいメニュー」で「正しい筋肉を刺激する」トレーニングが必要となります。

筋トレをするインナーマッスルのターゲット
    今回ご紹介する筋トレで強化する目的の筋肉をご説明します。

  • 1. 腹横筋:腰椎と骨盤をつなげる筋肉で、動作の安定だけでなく、動作の最初に機能すると解っています。
  • 2.多裂筋:脊椎1つ1つを橋渡ししており、脊柱を正しい位置に保っています。
  • ※横隔膜と骨盤底筋群も重要なインナーユニットですが、ここでは上記1と2を重視します。

腰痛を改善する筋トレの方法

それでは、男性でも女性でも、そして初心者でも高齢者でも簡単に行なえる腰痛予防・改善の筋トレを3段階に分けて説明します。

是非、女性・男性・初心者に関わらずチャレンジして下さい!!

1:シーテッド・ドローイン(初心者向け)

お腹のインナーユニットを上手くコントロールできない、つまり腹横筋を上手に使えない初心者向けの筋トレです。
インナーユニットを自然に使えるように両腕を上げる工夫がされています。
腰痛改善に役立つ座ったままのドローイン
手順1:椅子に座って、両腕を上げて手の平を合わせます。
手順2:腰はあまり反らないようにし、息をすべて吐き切ります。
手順3:そのときに、お腹が背中にくっ付くかのように凹むと思いますが、なるべく、すべての腹筋が凹むように意識して、その状態をキープします。
呼吸は浅い状態になりますが、しっかりと行ないます。

<回数とセット数>
初心者・高齢者のように筋力がない方は、最初20秒キープを目標に、1セットをできるようにしましょう。
男性・女性は関係なく慣れてきたら、これを2〜3セットできるようにしましょう。

<注意事項>
腰椎を伸展させすぎないように、「自分なりで良いので正しい姿勢」で行なって下さい。
お腹に痛みなどがある場合は、初めは10秒くらいからスタートしましょう。

2:ドローイン(中級者向け)

腰痛を改善するドローイン2
手順1:硬い床でしたらヨガマットなどを敷いて、仰向けになります。
手順2:両手をお腹の上に置いて、腰椎(腰の部分)を床に押し付けるようにして、お腹を凹ませます。

手順3:そのときに、お腹が背中にくっ付くかのように凹むと思いますが、なるべく、すべての腹筋が凹むように意識して、その状態をキープします。
呼吸は浅い状態になりますが、しっかりと行ないます。
お腹が凹まない人は、呼吸を一気に吐き切ってみましょう。

<回数とセット数>
初心者・高齢者のように筋力がない方は、最初20秒キープを目標に、1セットをできるようにしましょう。
男性・女性は関係なく慣れてきたら、これを2〜3セットできるようにしましょう。

<注意事項>
腰椎が床から浮かないようにしましょう。
お腹に痛みなどがある場合は、初めは10秒くらいからスタートしましょう。

3:ハンド・ニー(上級者向け)

この筋トレは腹横筋と多裂筋の両方を一緒に鍛えられます。
上記の2つのドローインに慣れてきたら行なってみましょう。
腰痛を緩和する筋トレ:ハンドニー
手順1:硬い床でしたらヨガマットなどを敷いて、四つん這いになります。
手順2:重力に逆らいながら、お腹をしっかりと凹ませます。
手順3:身体が動かないように右手と左足、左手と右足をそれぞれ交互に挙げて、10〜20秒キープするようにします。

<回数とセット数>
初心者・高齢者のように筋力がない方は、最初10秒キープを目標に、1セットをできるようにしましょう。
男性・女性は関係なく慣れてきたら、これを20秒ずつ、2〜3セットできるようにしましょう。

<注意事項>
身体がどちらかに傾く、背中が丸まるなど、腕や脚以外の部分が動いてしまう場合は、先ずは腕だけを挙げる筋トレを行ない、慣れてきたら脚まで挙げるようにして下さい。

以上です。

1~2番のドローインは比較的手軽に、3つ目のハンド・ニーは少し上級者向けのメニューとなっています。

慣れてきましたら1~3番のすべてを定期的に行うことで、腰痛の改善に役立つインナーマッスルの強化を行うことが出来ます。

<著者プロフィール>

株式会社CORE N' CODE

ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
株式会社CORE N’ CODE
『核心は頑張った者のみが解る暗号である。』

埼玉県を中心に活動するCSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)早稲田力也が運営する。クライアントは柔術、空手、総合格闘技のプロを中心に、一般の男性と女性のダイエット・フィットネス指導も個人契約で受注している。

腰痛改善に役立つ筋トレ

株式会社CORE N’ CODEさんに筋トレで腰の痛みを改善する方法について解説していただきました。

筋力不足や運動不足は体の痛みに繋がると皆さんも体験的に理解していると思います。ですが、ヤミクモな筋トレは逆効果だとご理解いただけたのではないでしょうか??トレーニング方法も段階を踏んで、徐々に強度の上がるエクササイズですので、お体の状態と相談しつつ、じっくりと体質改善を行ってみてください。

以下からは追加の腰痛改善トレーニングをキネシオロジーが専攻の今田トレーナーにご紹介頂きます。

腰周辺の様々な筋肉

  • 1)大腿直筋
  • 大腿直筋。いわゆる、太ももの筋肉です。大腿直筋は股関節をまたいで前腸骨棘に付着しているため、膝の伸展だけではなく、股関節の屈曲を行います。そして前腸骨局に付着しているからこそ、骨盤の傾きには影響してきます。

  • 2)内転筋群
  • 内転筋群は内ももの筋肉です。内転筋群は主に4つの筋肉から構成されています。
    a.長内転筋
    b.短内転筋
    c.大内転筋
    d.小内転筋
    これらの筋肉も骨盤に付着しているため、骨盤の傾きに影響を及ぼしますので、腰痛の原因となり得る筋肉です。しかし、大腿直筋が原因となる場合がよい多いように思えます。

  • 3) 腸腰筋
  • 正式には大腰筋と腸骨筋の総称で、身体の奥深くにある筋肉です。大腰筋は腰椎から始まり、大腿骨頭に付着しています。股関節の屈曲を行うパワフルな筋肉です。大腿直筋と共に働くので骨盤の傾きへの影響は大です。腸骨筋も同じく屈曲をしますが、大腰筋ほどのパワーはありません。

  • 4)脊柱起立筋
  • 骨盤(仙骨や腸骨)と肋骨や腰椎、胸椎などを繋いでいる背骨に沿った筋肉で、姿勢を維持するための筋肉です。背骨一つ一つを正しい位置に保つ役割を果たしてくれるのですが、バランスが崩れると逆に背骨の位置をずらしてしまうという欠点があります。

  • 5) 臀筋群
  • 大殿筋、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋の4つから成る筋肉群です。運動においてパワーの源と考えられている筋肉です。

    a. 大殿筋: 股関節の伸展と外旋を行う
    b. 中殿筋: 厳密にいうと様々な動きをするのですが、総合すると股関節の外転を行う。特に立っている時や歩行時には骨盤の傾きをコントロールします。
    c. 小殿筋:中殿筋の補助をします。

    このように、骨盤と大腿骨を繋ぐパワフルな筋肉です。動作時の骨盤の位置や傾きを決めると言っても過言ではない大事な役割を果たします。

骨の位置を決めるのは筋肉である

骨の位置が正しい位置にあれば、その周りを走る神経を痛めることもなく、また筋肉も無駄な疲労や炎症を起こすこともありません。

姿勢が悪い生活や偏った運動 → 筋バランスの崩れ → 骨格の崩れ → 神経の圧迫や筋肉、関節の炎症

という流れで痛みは起こります。腰痛は多くの筋肉が関わっている事もあり、原因を特定するのは経験が必要です。
如何でしたか? 一概に腰痛といえど、様々な筋肉が関わっているのが理解して頂けたかと思います。必ずしも痛みがある部位だけではなく、その他の腰の周辺の筋肉が固まっていたりしないかをチェックしてみてください。

体幹のアンタイ・ローテーション

先程の腹部や腰周辺のインナーマッスル強化に役立つ筋トレを無理なくできるようになり、痛みなども感じない方は以下の筋トレを行うことで腰痛予防に役立ちます。

腰痛を予防・改善するにはバラバラの背骨を繋いでいる筋肉である多裂筋を鍛えると、背骨の必要以上なズレや、四肢を使う時に身体の中心が安定するので腰痛改善に繋がります。身体の回旋の動き(捻じり)なのでいまいち腰痛に結びつくの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、回旋を“止める”力というのも実は腰痛改善には必要です。なので腹筋背筋だけではなく、このような背骨の回旋運動を制御したり、回旋するための筋肉を鍛えてみましょう。
腰痛改善に役立つ体幹のアンタイ・ローテーション

  1. まずはどこでもいいので押しても大丈夫なくらい丈夫な壁を見つけます
  2. 壁に手を当てます。胸の前に位置するようにしましょう
  3. 足幅は肩幅より少し広めにして、踏ん張りが効くようにします
  4. 胴体が捻れない体幹部を“四角”に保ったまま、壁をグッと押します
  5. この時、腕の力で押すというよりは身体を捻ろうとするけど壁が動かなくて捻れないというイメージで行って下さい。

  6. 約20秒から30秒間壁を押し続け、反対も同様に行います
  7. トータル片側3セットずつしましょう。

ハムストリング強化で腰痛改善

ハムストリングは太ももの裏の筋肉ですが、こちらが腰痛に関係しているってしっていましたか?多くの人は太ももの前の筋肉である大腿四頭筋を使って生活していることが多く、ハムストリングを使わなくなっています。すると骨盤の傾きのバランスが崩れてしまい、その結果仙骨や腰椎の角度が変わってしまい、負担が来て痛みが出るという流れです。ですので、ハムストリングを強化することで腰痛改善するシチュエーションが数多くあります。
ハムストリング強化で腰痛改善するトレーニング方法

  1. 仰向けにねて、高さ10cmほどのパッドやクッションを用意します
  2. 踵をクッションの上にのせたら、踵をクッションにぐっと押し付けるようにして腰を地面から浮かせます。これも10cm~20cm程で大丈夫です。
  3. ゆっくりと腰を落とし、反対の足も同様行いましょう。
  4. 見た目以上に辛い種目ですので、まずは右、左、右、左と交互にトータル10回出来るように練習してみて下さい。

サイドプランク


体幹強化する!サイドプランク(サイドブリッジ)のやり方

レッグブリッジ

腰痛を緩和するダブルレッグブリッジ
更に余裕のある方は、片足をあげてみましょう。

上級者向けの腰痛改善筋トレのシングルレッグブリッジ


女性でも簡単!ダイエットに効果的なインナーマッスルの鍛え方って?

腸腰筋を鍛える体幹トレーニング

腸腰筋を無理なく鍛えて腰痛を改善する体幹トレーニング
腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)を鍛える筋トレ体幹トレーニング

※くれぐれも無理のない範囲で行い、記事前半でご紹介したような難易度の低いトレーニング方法から実践してください。

ストレッチで腰の痛みやコリを改善する方法も解説していただきました!
筋トレ後のストレッチで、該当部位の筋肉をほぐすことは、腰痛の改善や緩和にはとても重要です。
ぜひ参考にしてみてください。

腰の痛みやこりを緩和する腰痛改善ストレッチの方法

<著者プロフィール>

今田悠太

ロサンゼルスを中心に活動する、パフォーマンスコーチ。
卒業大学:カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
専攻:キネシオロジー
経歴:
09-現在 アメリカ独立プロバスケットボールリーグ:ヘッドストレングスコーチ
07-14アメリカのスポーツ研修関係のツアーの通訳
09-現在パーソナル・パフォーマンスコーチ
<理念>
一般の男性、女性のフィットネスの指導から、人種問わず世界で活躍する プロアスリートまで幅広く指導。日米の長所を組み合わせた、身体の軸を意識した独自のトレーニングメソッドで、今までになかったトレーニング理論を作り上げ、リハビリからパフォーマンストレーニング(競技力向上)を行う。 世界には眠っている才能が多くあると感じ、少しでも個人の才能が表に出るきっかけになればいいという思いから“RISE”というグループを立ち上げる。 人と人の繋がりの中で才能が開花していくのを助け合いたいと願い、日々奮闘中。

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