アイソメトリックトレーニングのメリット・デメリットとは?

2017年4月7日

今回もプロ格闘家や個人の方向けのフィットネス指導、スポーツメーカーへのトレーニングプログラムの提供をしているCORE N’CODE(コアアンドコード)さんに「アイソメトリックトレーニングの方法」のテーマでお願いします!

アイソメトリックトレーニングについて

皆さん、こんにちは。今回は、アイソメトリックトレーニングの方法ということでして、トレーナーの方々は聞いたことがあっても、一般の方は耳慣れない言葉でしょうかね??
アイソメトリックトレーニングは「静的トレーニング」や「等尺性トレーニング」と呼ばれるのですが、どういうイメージを持たれるでしょうか?
前者からは「動かない??」、後者からは「同じ長さ??」という漢字からのイメージだと思います。
つまり、短絡的に述べるならば「力を入れる時に、主働筋と拮抗筋の筋出力をコントロールすることで、結果的に筋長を同じ状態に保ち動作自体がないこと」を指すのでしょうね。

アイソメトリックトレーニングの効果はあるのか?

筋肉に力を入れるだけで、動かないで筋肉は発達するのか?とそんな疑問にぶつかると思います。ドイツのHettinger氏による研究を記載した文献によると、最大筋力の約40%以上でトレーニングすると筋力が向上すると結論づけられております。また、14日より少ない間隔なら、例えば10日に1度でも効果が見られると言う事を述べております。
つまり、アイソメトリックトレーニングは「ある程度は」効果を発揮すると言えるでしょう。

今回、アイソメトリックトレーニングを怪我したアスリートや一般の方以外の健常者へあまり使わない私にとって、この記事を書かせて頂くことは「考えるという機会としては嬉しい」という記事となりましたが、このことからも、私なりにアイソメトリックトレーニングに対してメリットとデメリットが思い浮かんできます。

アイソメトリックトレーニングのメリットとデメリット

簡単にまとめてみました。
<メリット>
1:傷害や怪我で関節が動かない状況でもトレーニングが可能である。
例として、膝関節のリコンディショニングで行うパテラセッティングなどは、それに該当すると思います。
2:高齢者などに対して、安全である。(自分で強度を決められる。)
3:自重だけで行えるので、家でも手軽に運動できる。
4:強化したい部位の意識化につながる。
5:オフィスなど運動器具が無くても、座りながらでも運動が可能。

<デメリット>
1:動きが無い地味なトレーニングのためにモチベーションを保つのが難しそう。
2:スポーツの特異的な動作が行えない。
3:筋力向上に限界値があると予想される。
4:日常生活の機能的な動作にも結び付きにくい。
5:高血圧の方や心臓血管系の疾患がある方がバルサルバ法を使ってしまうリスクがある。

アイソメトリックトレーニングの具体例

それでは、ここからはアイソメトリックトレーニングでもある程度の筋出力が必要なものを選んで紹介いたします。

◆NO.1
1:仰臥位になり、股関節・膝関節を屈曲にします。
2:大腿部内側にピラティスボールなどを挟んで、骨盤底筋群を意識します。

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3:両手を天井方向に向けて、肩関節を90°屈曲位にします。
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4:腹部を床に押し付けるように凹ませて、そのまま肩甲骨を浮かせてキープします。
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アイソメトリックの継続時間:10秒以上を目安に行なってみましょう。余裕ある方は3セットを目安に行いましょう。

注意事項:
呼吸は止めずに浅くでも行いましょう。
心臓血管系疾患及び高血圧の方は避けた方が良いでしょう。

ターゲットマッスル:
深層腹筋群、骨盤底筋群など

◆NO.2
1:仰臥位になり、両手・両足を床に設置したまま、脊柱が床と平行になるまで臀部を持ち上げます。
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2:体幹が安定したら、片側の膝関節を伸展させて、床と平行になるまで挙上します。そのままキープします。
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アイソメトリックの継続時間:10秒以上を目安に行なってみましょう。余裕ある方は3セットを目安に行いましょう。

注意事項:
・呼吸は止めずに浅くでも行いましょう。
・心臓血管系疾患及び高血圧の方は避けた方が良いでしょう。
・肩関節にインピージメントを持っている方などは避けましょう。

ターゲットマッスル:
多裂筋群、臀筋群、ハムストリングスなど

◆NO.3
1:プッシュアップ(腕立て伏せ)の姿勢になります。
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2:肘関節を屈曲させて、胸部が床に接地する手前まで身体を落とします。
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3:出来る人は体幹が安定したら、そのまま片脚の股関節を外転位にしてキープします。2までで大変な方は、そのままキープで構いません。
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アイソメトリックの継続時間:10秒以上を目安に行なってみましょう。余裕ある方は3セットを目安に行いましょう。

注意事項:
呼吸は止めずに浅くでも行いましょう。
心臓血管系疾患及び高血圧の方は避けた方が良いでしょう。
手首の腱鞘炎などの方は避けた方が良いでしょう。

ターゲットマッスル:
胸筋、三角筋、上腕三頭筋、臀筋、股関節外転筋群など

いかがでしたか?
皆さんの筋トレについての知識に少しはお役に立てましたでしょうか?!
また次回もお楽しみに!!

<著者プロフィール>

株式会社CORE N' CODE

ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
株式会社CORE N’ CODE
『核心は頑張った者のみが解る暗号である。』

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埼玉県を中心に活動するCSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)早稲田力也が運営する。クライアントは柔術、空手、総合格闘技のプロを中心に、一般の男性と女性のダイエット・フィットネス指導も個人契約で受注している。