妊婦のスクワットやストレッチと安産体操〜妊娠中に注意すべき運動

2018年6月1日

妊娠中のスクワットやストレッチ、安産を迎えるための体操の方法と運動をご紹介します!

激しい有酸素運動など妊娠中には避けるべき運動もあります。

注意点をご覧頂いてから、実施してください。

妊娠中・妊婦さんの体操の注意点

妊娠中の運動は健康な赤ちゃんを迎えるためにも、産後の体調を整えるためにも大切ですが、妊娠中の体はとてもデリケートです。

医師の判断を仰いでから行いましょう。
お腹の張りや出血など異常を感じたら中止しましょう。

また、妊娠初期は流産の危険性が高いため、無理な運動を避け、安定期に入ってから行いましょう。
※妊娠中、出産後は体の状態も不安定な事が往々にしてあります。最新の注意の上、実施の際はかかりつけのお医者さん、助産師さんなどのご意見を再優先して実施を検討してください。

妊娠中に好ましい運動、避けるべき運動

妊婦の運動は妊娠中の肥満を防ぎ、体力や持久力を維持するために大切です。安産を迎えやすい状態に体を整え、運動によるストレス発散の効果が期待できます。

まずは基礎知識として「妊娠中に行っても大丈夫な運動」と「避けるべき運動」を理解しましょう。

妊娠中に行ってはいけない運動
  • 接触の多い競技(サッカー、格闘技)
  • 重いものを持つ競技(重量あげなど)
  • スキューバダイビング
  • その他激しい運動
妊娠中に好ましい運動
  • ウォーキング
  • 水泳
  • エアロビクス
  • 固定自転車(エアロバイク)
  • お尻歩き
有酸素運動を軽めに行うことが推奨されています。

特に妊娠初期(1~4ヶ月)は無理のないペースで短時間(15分程度)のウォーキングを中心に行いましょう。

一言に”有酸素運動”といっても様々な負荷の実施方法、強度があります。
日本産科婦人科学会の資料を参考に、妊娠中の運動の是非・強度をご紹介します。

妊娠中の運動強度の参考
激しい運動は好ましくないとされていますが、実際にはどのくらいの運動強度なら大丈夫なのでしょうか?

妊婦の行うスポーツの強度が強すぎると子宮血流量の減少をきたし胎盤での酸素不足から胎児低酸素血症の危険が考えられる.従来の研究では安全といえる運動強度は母体心拍数で140拍/分以内とされていた(1985年の ACOG のガイドライン1)).しかし,その後の研究では必ずしもこの範囲と限ることはないとされ,1994年の ACOG のガイドライン2)ではこの心拍数の項目は除かれている.要は妊婦が不安なく,心地よくスポーツができる範囲が最もよいガイドラインであるといえる.

極端に激しい運動でなく、心地いい範囲の運動であれば大丈夫とされています。

参考・引用:公益社団法人 日本産科婦人科学会 妊婦とスポーツ(www.jsog.or.jp/PDF/51/5109-289.pdf)
運動と女性の健康(www.jsog.or.jp/PDF/57/5711-498.pdf)

ある程度、指標と出来る情報ではありますが、やはり体調やお身体の状態は個人差があります。無理をせず実施することを前提に体を動かしましょう。

妊婦さん向け出産をスムーズにするスクワット

妊娠中は赤ちゃんの分も体重が増えているため、妊娠前にスクワットを行っていた方もいきなり以前と同じ回数のスクワットを行わないようにしましょう。

妊婦スクワットのポイント
    妊婦さん向けの出産をスムーズにするスクワット

  • 少ない回数で、複数のセット数行うようにしましょう。
  • (胎児の体温は母体よりも0.5℃ほど高く、体温上昇による影響が出る可能性もあるため)

  • 膝の方向に注意!
  • ヒザを痛めないように「つま先の向かっている方向」と「ヒザの向かっている方向」が【同じ方向に向く】ようにしましょう。

スクワットのほか、血流をよくして気分転換のためにもウォーキングを意識的に行うようにしましょう!

もう少し楽なスクワット方法
壁を背にしたスクワットにすることで、負荷を減らすことが可能です。
注意点は先ほどと同様です。
壁スクワット
もしスクワットが辛い方は以下の動画も参考にしてみてください。
壁を背にしてストレッチ&スクワットのやり方です。

妊娠中の有酸素運動にも最適なお尻歩き

妊娠中はどうしても体重が増えるため、膝や腰などの関節に負担がかかりがちです。

お医者さんから体重を落とした方がいいと言われる方もいますが、膝などが辛いという方もいると思います。

そこでおすすめなのがお尻歩きです。
骨盤周辺の筋肉(腸腰筋など)を使いますし、膝への負担も少ない有酸素運動が可能です。

妊娠中の有酸素運動にお尻歩き

より詳しい実践方法は以下をご参照ください。
お尻歩きのやり方〜お尻歩きのダイエット効果を高めるには?

妊娠中にもおすすめなストレッチ方法

妊娠中に徐々に大きくなるお腹は、体の各所への負担を増やし、肩こりや腰痛、背中の痛みの原因になることも…。

無理のない筋トレなどで筋力を増やすことも大切ですが、ストレッチで筋肉の緊張を解すことも解決策のひとつ!

妊娠中でも実施しやすいストレッチ方法をいくつかご紹介します。

<マタニティヨガ:ネコのポーズ>
マタニティヨガ:ネコのポーズ

<骨盤近辺の筋肉をほぐすエクササイズ>
骨盤近辺の筋肉をほぐすエクササイズ

安産体操の方法~妊娠中の骨盤体操

外でウォーキングなども大切ですが、どうしても家を出られない時もありますよね!
そんな時は自宅出来る安産体操を行いましょう。

<骨盤底筋を鍛えるエクササイズ>
骨盤底筋は骨盤を支える筋肉ですので軽めに刺激をしてあげることで安産効果があります。
骨盤底筋を鍛えるエクササイズ1

以下のエクササイズも骨盤底筋を刺激できます。
骨盤底筋を鍛えるエクササイズ2
少しお腹を張るポーズですので辛い方は避けましょう。

◆骨盤底筋を鍛えるヨガエクササイズ

<安産体操のポイント>

  • ・水分補給をしっかりと
  • ・長時間の運動は避ける
  • ・高温多湿を避ける

*母体の体温上昇は早産の可能性があります

母体体温の上昇は子宮筋中のエピネフィリン(子宮筋の弛緩作用がある)量を減少させるため子宮収縮が起こり,早産の危険が高まる.

参考・引用:公益社団法人 日本産科婦人科学会 妊婦とスポーツ(www.jsog.or.jp/PDF/51/5109-289.pdf)

妊娠中の運動の注意点とスクワットや安産体操のご紹介でした!

その他にも美wiseではマタニティヨガの実施方法もご紹介しています。
マタニティヨガの効果と注意点・開始時期について

妊娠中~産後の困ったに対応する骨盤ベルトや妊娠線対策

妊娠線などは出来てします前のケアが大切です。
詳しくは以下をご覧ください。

妊娠線や肉割れの原因と予防策、消す方法

妊娠中の腰痛予防や骨盤のサポートには「トコちゃんベルト」がおすすめです。

妊娠中以外でもO脚の改善や内股の改善・腰痛の緩和や予防に役立つため長く使うことが出来ます。

※本記事は産婦人科学会などの報告を元に細心の注意の元作成しておりますが、妊娠中の運動及び、不調に関しては、必ずお医者様や助産師さんのアドバイスの元ご自身の責任の範囲での実施をお願いいたします。