なで肩の原因とは?なで肩を矯正する筋トレとストレッチの方法

なで肩を緩和するストレッチや筋トレの方法とは?

2018年7月11日

なで肩は女性らしい華奢な印象を与えますが人によってはお困りのこともあるのではないでしょうか??リュックやキャミの紐、ブラ紐がずり落ちてしまったり…。

なで肩ですとどうしても顔が目立ち、顔が大きい印象を持たれてしまうことも。

見た目の印象への影響もありますが、背中や肩の痛み(背中や肩のコリ)を感じやすい傾向もあります。

今回はそんな「なで肩の特徴・原因」と「緩和するストレッチ」、「なで肩矯正に役立つ正しい姿勢の方法」、「矯正する筋トレ」をご紹介します。

なで肩といかり肩とは?どんな状態??

なで肩と対比していかり肩がどのような状況か図解します。
図では少し極端に表現していますがご自身の方がなで肩気味なのか、いかり肩気味なのかチェックしてみましょう。
なで肩といかり肩のチェック方法

◆なで肩
鎖骨が外側に向かうに従って下がっている場合、【なで肩】と判断されます。

◆いかり肩
鎖骨が外側へと向かって15度以上上がっている場合は【いかり肩】だと判断されます。
(目安としては鎖骨の上がっている角度が指2本分程度)

日本人女性の骨格のタイプとしてはなで肩の人の方が多いとされています。

いかり肩の解消方法や体に起こる症状については別記事ご覧ください。

なで肩の原因とは?

なで肩は先天的な骨格も影響しますが、猫背とともに起こっていることが多くあります。

現代人はパソコン作業やなど、前傾姿勢になる事が増えています。ここ最近ではスマホの普及拡大でより、前傾姿勢になる機会がより増えていると言えます。前傾姿勢になってしまうとどのような状態になるのでしょうか?

キネシオロジーを専攻されたフィットネストレーナーさんがご用意してくれた画像をご紹介します。
悪い姿勢の例
画像は誇張して書かれていますが、猫背になり肩が落ちることが見て取れます。
このような状態が続くことで、前かがみで、肩が落ちた状態が維持されてしまい、結果的になで肩となってしまいます。

なで肩となってしまう原因を取り除き、矯正していくには正しい姿勢を身につけることが大切です。
ストレッチなどで該当箇所の筋肉をほぐすことも大切ですが、筋トレにより基礎的な筋力を付け、正しい姿勢が維持できるようにすることも大切です。

パソコン作業中などに姿勢が崩れないためのポイントは以下の記事からどうぞ!
パソコン作業中に姿勢が悪くならないためのコツ

なで肩・いかり肩どちらの方にも有効なストレッチ

まず最初はなで肩、いかり肩のどちらにも効果的な肩甲拳筋のストレッチ方法をご紹介します。

肩甲拳筋(けんこうきょきん)は首の骨(頚椎)と肩甲骨をつなぐ筋肉で「肩甲骨を上方へ引っ張る」働きをしています。
肩甲拳筋(けんこうきょきん)の図解
うつむきがちの姿勢が続く方やストレートネック気味の方はこの筋肉が張って、首筋の痛みや首の湾曲が減ってしまう原因の一つとなります。

そのため、このストレッチはいかり肩・なで肩の緩和の他、ストレートネックや首のこりの緩和にも役立ちます。
なで肩・いかり肩の解消に役立つ肩甲拳筋(けんこうきょきん)のストレッチ
背筋を伸ばした状態で、左手で右肩が上がらないように抑えながら、首を左下側へと倒します。

ポイントは以下の3点です。

  1. 鼻を左側の肩へと近づける
  2. 右肩が上がらないようする
  3. 肩や体が前方へ出てしまわないように背筋を伸ばす

このポイントを抑えると先ほどの図で解説した肩甲拳筋(けんこうきょきん)が伸びていることがわかると思います。

※強くストレッチすることで、筋肉は逆に固くなってしまいます。ですので軽く伸びている程度に必ず留めましょう。
※首や肩周辺に強い痛みや違和感を感じる方、手や腕に強いしびれを感じる方、以前に頚椎ヘルニアと診断された方などは行わないようにしてください。

なで肩改善する肩をほぐすストレッチ

①腕をおしり側で組みます。リラックスした状態でスタンバイします。
②頭を後ろに、腕を出来る限り反らします。
なで肩改善する肩をほぐすストレッチ
この時、お腹が前にでてしまわないように、姿勢が崩れてしまわないように、注意しましょう。

ゆっくりと呼吸を続けながら10秒ほどキープしてリラックスします。こちらのストレッチを2-3セット行います。
まずは先ほどご紹介した2つのストレッチで筋肉のこりや緊張を解しましょう。

ストレッチをダイエットに活かすためのコツや部位別のやり方を詳しく解説したまとめ記事もご用意しています!

寝る前のストレッチでダイエット~効果の高い簡単ストレッチ方法

なで肩を矯正する筋トレの方法

筋肉のこりを改善したら筋肉を強化することで根本の改善を行いましょう。

◆お手軽なで肩改善筋トレ
なで肩を改善する手軽な筋トレ
注意点としては肩を天井にまっすぐ向けるイメージで垂直に上げる点です。
肩が前後に振れないように注意しましょう。

◆ゴムチューブを使ったなで肩改善筋トレ

◆ペットボトルを使った筋トレ

サイドレイズという肩を鍛えることが出来るエクササイズですが、本格的なダンベルなどを使うと女性は取っ付きにくいと思います…。

こちらの動画では500mlのペットボトルから始められるエクササイズです。自宅にあるもの出来て、1L、2Lのペットボトルを活用するなどステップアップしたいときにも応用として参考になる動画です!

2Lのボトルは滑ってしまうのでビニール袋に入れて行います。手の小さめな女性は1Lからビニール袋を使ってもいいと思います。

なで肩と筋トレの関係:筋トレは有効?

なで肩と筋トレの関係を紐解いてみたいと思います。そもそもなで肩には遺伝的にもともと肩が落ちている人と、姿勢が悪く猫背のようになっていて肩が落ちて見えるようなタイプがあります。前者の遺伝的な要因に起因する場合、骨格の関係になってしまうのでこれを矯正することはできません。しかし後者のタイプ(姿勢が悪いタイプ)は背中の筋肉や肩周りの筋肉を鍛えることで矯正することができます。

なぜ筋トレでなで肩を矯正することができるかと言うと、筋肉を鍛えることによって姿勢を作る筋肉が発達し、筋肉が骨や関節の位置を正常な位置に戻してくれるからです。ただしこれは正しく筋トレをした場合のみ望める結果です。もし間違って筋トレをしてしまうと余計姿勢が崩れてしまったり最悪の場合は痛みが出る場合があります。

なで肩を矯正して行くには基本的には体の後ろ側の筋肉である広背筋、脊柱起立筋、僧帽筋、肩甲骨周りの菱形筋だとかその他小さい筋肉、そして三角筋をバランスよく鍛える必要があります。

多くの場合は、脊柱起立筋と菱形筋がうまく働いていなかったり、弱いがために姿勢が悪くなるケースが目立ちます。ですのでもし自分がなで肩だなと思う人は大体は菱形筋と脊柱起立筋を鍛えることで姿勢が改善され、なで肩が改善される見込みがあります。

多くの場合は胸の筋肉や腹筋など体の前側の筋肉を鍛える人が多いので、前側の筋肉が収縮しなで肩になっているケースもあります。その場合前の筋肉と後ろの筋肉のバランスが悪いということなので、体の前側の筋肉である胸の筋肉や腹筋などの筋トレを少し控えめにし、先ほどリストアップした体の後ろ側の筋肉を鍛えるようにしましょう。

筋トレで姿勢を矯正するのは非常に時間がかかります。筋トレしたからといってすぐになで肩は治るわけではありません。長期間で作られてしまった悪い姿勢というのは一種の体の習慣であり、元に戻すには努力と根気が必要です。 もしなで肩が気になるようであればできるだけ早く改善に取り組むのをお勧めします。

なで肩のための筋トレ実践編

なで肩を補強する筋トレは、先ほども述べたように基本的には体の後ろ側の筋肉を鍛えることになります。姿勢に大きく影響する肩甲骨の位置をコントロールする菱形筋をまず鍛えましょう。

菱形筋を鍛える方法

菱形筋を鍛えるにはまずは腕を引く動作が必要になるのですが、特にこの菱形筋を正しく使うには 適切な負荷が重要です。懸垂、ラットプルダウン、ローイング、などの基本的な腕を引く筋トレがありますがこれらは意識ができている人には良いのですが、 菱形筋やその他の小さな筋肉を使うことに慣れていない方には不向きなエクササイズの種目かもしれません。

ゴムバンドのような軽い負荷で意識がしやすいものからスタートし、使う筋肉の位置がわかってきたら重たい重りを持ったトレーニングへ移行していきましょう。

チューブのローイング

チューブのローイングで菱形筋を鍛えてなで肩を改善する
①長いゴムバンドを使用します。チューブでもOKです。
②まずは地面に座り骨盤を垂直に立てて姿勢を正します
③バンド足にかけ両手でバンドの端を持ちます
④ゆっくりと肘を引いて肩甲骨を寄せていきます
⑤しっかりと肩甲骨を寄せられていることを意識しながら、可能な限り肩甲骨の内側の筋肉を使用してバンドを引っ張るよう意識をしてください。腕で引っ張ってしまうと菱形筋に効きません。
⑥意識がしづらい場合はホールドするのがいいでしょう。腕を引き、肩甲骨を寄せて20秒間ホールドしてください。

バンドスーパーマン

バンドスーパーマンで菱形筋を鍛えてなで肩を改善する
①うつ伏せになって長いゴムバンドまたはチューブを使用します
②肩幅よりも少し広めにチューブを持ち、腕をできるだけ前方へ伸ばします。肩甲骨がしっかりと上方回旋しているように意識します
③そのまま腕を地面からゆっくりと浮かせて 、みぞおちが地面から離れない程度に上体を浮かせます。
④必ず腕は遠方へ伸ばす意識のまま行ってください
⑤5秒浮かせてホールドをしたら、一旦地面で5秒休んでください。また5秒ホールドして休むというサイクルを繰り返します。10回行いましょう。

以上です!
なで肩の改善にお役立てください。