カーフレイズの効果とやり方(シーテッドカーフレイズとスタンディングカーフレイズ)
今回もプロ格闘家や個人の方向けのフィットネス指導、スポーツメーカーへのトレーニングプログラムの提供をしているCORE N’CODE(コアアンドコード)さんに「カーフレイズのやり方」の解説をお願いします!
スタンディングカーフレイズ(立って行う)・シーテッドカーフレイズ(座って行う)の2パターンと余裕のある方向けでプラスアルファのカーフレイズの3点、記事後半ではふくらはぎを鍛えるその他の方法とトレーニング後に大切なストレッチ方法をご紹介します。
ふくらはぎを鍛えたり、カーフレイズの効果をしっかり理解したい方は1~3を、シーテッドカーフレイズ・スタンディングカーフレイズの実践方法は4番、その他のふくらはぎの筋トレ方法やストレッチ方法は5番です。(目次をクリックで記事内を移動します。)
ふくらはぎって重要なの??
昨年は海外に頻繁に行きました。アメリカ6回、ロシア1回、シンガポール1回、全て仕事での渡航です。
アメリカに行くときに、頻繁にカーフレイズを行っている女性を見かけましたが、若干下肢に違和感を感じているのだとその時に考えたことを今も思い出します。
飛行機といえば「エコノミー症候群」、静脈の血液鬱滞や擬固促進により、肺塞栓症を引き起こす症状で、非常に危険な疾患です。
気圧が地上よりも低いことも一因ですが、椅子に座った状態で下肢が同じ形のままでいることも大きな要因です。逆に、下肢の運動がエコノミー症候群の予防につながるということは、ふくらはぎは人間にとって非常に重要な役割を担っていると言えるのでしょう。
ふくらはぎの筋力が静脈還流量を促す
それでは、ふくらはぎにはどんな重要な役割があるのでしょうか?
静脈還流量という言葉を聞いたことがありますか?
心臓からふくらはぎなどの末梢循環から心臓に戻る血液量です。
静脈は動脈よりも伸展できる特性を持つことから、NSCAの教科書では全体の血液量の64%を静脈系に含むと記載あり、文献などでは70%以上と記載するものも目に付きます。
そして、ふくらはぎが第二の心臓と言われる所以は、この静脈還流量を促す作用、いわゆる「筋ポンプ作用」を持っているからです。
筋肉が収縮すると、血管を圧迫して静脈還流(心臓への血液の戻り)が促進され、弛緩すると足部末端に血液が運ばれるという素晴らしい機能をふくらはぎが持っています。
血液の多くを含む静脈の機能をふくらはぎが担っているとしたら、それはかなり重要ですよね!!
筋トレをする前にふくらはぎの構造を少し理解しましょう!!
筋トレする上で、少しだけふくらはぎの筋肉について知っておきましょう。
ふくらはぎは下腿三頭筋で構成されております。筋肉の種類は腓腹筋とヒラメ筋。腓腹筋の内側頭と外側頭の二頭とヒラメ筋で合計三頭です。
面白いのは、腓腹筋とヒラメ筋共に停止部はアキレス腱となって踵骨に付着しているのですが、起始部は異なります。
腓腹筋は膝関節を跨いで大腿骨の内側上顆と外側上顆に付着し、ヒラメ筋は膝関節を跨がずに腓骨頭に付着していることです。ですから、腓腹筋は足関節(足首)と膝関節の2つの関節を支配します。
<難しい方は読まなくて大丈夫です!!→つまり、腓腹筋はヒラメ筋が足関節(足首の底屈、距骨下関節の内反)の作用であるのに対し、腓腹筋はヒラメ筋の作用+膝関節の屈曲も作用するということです。>
カーフレイズの実践方法(シーテッド+スタンディング+α)
前提条件として、一概にむくみや痛みを克服できるとは書きたくありません。病気の可能性も否めませんので、あまりにも痛かったり、むくみがひどいようでしたら、まずは病院で検査しましょう。
ここでは、仕事で座位を長時間しなくてはならない会社員、台所で家事を行うために立ちっ放しで行う主婦の方、日頃から運動不足で歩く機会が少ない方などへオススメの「誰でもできるカーフレイズのやり方」を提案します!!
①座位でのカーフレイズ
仕事中、通勤中など座っていても、ふくらはぎは筋トレできます。
ふくらはぎには上記にもあるようにヒラメ筋と腓骨筋があります。
座位でカーフレイズすると、腓骨筋に関与する割合がかなり少なくなり、ヒラメ筋主働になりますが、要は「筋ポンプ作用」を促すのに貢献しますから、ぜひ行ってみましょう!!もちろん、腰痛や膝痛のある方には非常に適した筋トレでしょう!!
・膝と股関節の高さが同じくらいの椅子に座り、両足を両膝より少しだけ後方に置きます。
・踵を上げるように足首を底屈させます。
この時、中足部は床に接地したままです。
・元の位置にもどします。
可動範囲を大きくしましょう。体重を免荷できますから、なるべく多く行ってみましょう。
②立位でのカーフレイズ
姿勢をきれいに保ちながら立位になります。
・その姿勢を保ったまま、踵を上げるように足首を底屈させます。
この時、中足部は床に接地したままです。
次に元の姿勢に戻るときには、上げる時よりも少しだけゆっくりと踵を床に下ろしていきましょう。自重ですが、筋のエキセントリック・コンストラクション(伸張性筋収縮)を利用します。簡単に言えば、自重に耐えながら、ゆっくりと踵を下ろすことです。ふくらはぎの筋肉が耐えながら元に戻りますよね!!普通に下ろすよりも効果があります。壁や手すりなどを利用するとやり易いです。
余裕ある方は、ペットボトルなど家にでもありそうなものでウェイトを増やしても良いと思います。また腕を前や横などに伸ばして、神経筋の感受性を高めても良いでしょう。
初めは15~20回を2セットくらいからスタートしましょう。
③立位でのカーフレイズ+足関節の背屈
姿勢をきれいに保ちながら立位になります。
その姿勢を保ったまま、踵を上げるように足首を底屈させます。この時、中足部は床に接地したままです。
次に元の姿勢に戻るときには、上げる時よりも少しだけゆっくりと踵を床に下ろしていきましょう。(詳細動作は上記②を参照してください。)
床に踵がついたら、そのまま足関節の背屈まで行います。
背屈したら、また底屈に変化していきます。
初めは15~20回を2セットくらいからスタートしましょう。
・余裕があったら、両腕を使って、様々な方向に負荷を変化させてみましょう!!
どうでしたか?
皆さんのカーフレイズのやり方-第二の心臓ふくらはぎを鍛える筋トレ
についての知識に少しはお役に立てましたでしょうか?!
また次回もお楽しみに!!
<著者プロフィール>
ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
株式会社CORE N’ CODE
『核心は頑張った者のみが解る暗号である。』
埼玉県を中心に活動するCSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)早稲田力也が運営する。クライアントは柔術、空手、総合格闘技のプロを中心に、一般の男性と女性のダイエット・フィットネス指導も個人契約で受注している。
ふくらはぎを鍛えるその他の方法とストレッチ
ふくらはぎを鍛える事の大切さをご理解いただけたと思います!
別トレーナーさんもカーフレイズをご紹介いただいていますので、転載します。
◆段差を使ったカーフレイズ
その他にも縄跳びの活用なども紹介されていますので、もう少しふくらはぎを鍛えたい!という方はぜひ以下記事もご参照ください。
筋トレメニュー:ふくらはぎの筋トレ方法
◆トレーニング後はストレッチを!
トレーニング後は筋肉のメンテナンスも大切です。
そこでストレッチを行いましょう!
・腓腹筋のストレッチ
・ヒラメ筋のストレッチ
詳しい解説は以下の記事をご参照くださいl
ふくらはぎのストレッチ(下腿三頭筋:腓腹筋とヒラメ筋のストレッチ方法)
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