腸脛靭帯炎(ランナーズニー)を予防・改善する為のストレッチ

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2018年6月1日

普段マラソンやジョギングしている方なら、ランナーズニーという名前を一度は聞いたことあるのではないでしょうか?実際にこの怪我を被ってしまうと中々面倒です。病院へ行っても、大抵は「ランナーズニーですね。湿布を貼って、しばらく休んでください。」と言われて終わる始末。

しかし、ランナーの方々からすれば、「休めば治るのは分かる。でも、それでも走りたいからどうすればいいか聞きたくて病院に来たんです。」といった気持ちになりませんか?今回はそんなランナーの方々の為に、ランナーズニーの効果的な予防・改善方法をご紹介していきます。

ランナーズニー(ランナー膝)とは?

ひざ痛が治る 痛い時スグ効く101のワザ
そもそも、ランナーズニーとは何なのか?これは膝関節周辺の障害全般を指すこともありますが、一般的には、腸脛靭帯炎のことを言います。

マラソンランナーに多く見られ、ランニング障害の約20%を占めると言われています。

症状としては、主に膝の外側が痛くなります。走っていると、まず太腿の外側やおしりに違和感が出てきて、徐々に膝外側の痛みに変わっていきます。初期は痛みが出たり出なかったりしますし、仮に痛みが出ても少し休養を取れば痛みが引くのであまり気にはなりませんが、悪化してくると痛みは大きくなり、休養を取っても痛みが中々治まらなくなります。酷い状態になると、膝を曲げるだけで痛みが生じてしまい、普通に歩くのが困難になることもあります。

腸脛靭帯炎・ランナーズニーは何故起こる?

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脚(膝)が伸展する際(ランニング動作中であれば、地面を蹴る際)、太腿の外側を覆っている長い靭帯が太腿骨の後方に移動します。

この時、太腿骨の膝側の外側の出っ張り部分に擦れてしまい、これを繰り返すことで痛みを生じてきます。

原因としては太腿の柔軟性低下やO脚などの脚の変形、走る際に足の外側に体重がかかる等々が挙げられます。また、地面が固い場所や下り坂でのランニング、足に合わないシューズでのランニング等も負担を増す要因となります。

腸脛靭帯炎を予防する為の方法


上記で挙げたように、腸脛靭帯炎は様々な要因で引き起こされます。ここでは、その中でも家でできる予防・改善方法をご紹介していきます。

①ストレッチで、筋肉の柔軟性を高める。
上記での述べたように、太腿の柔軟性の低下がランナー膝を引き起こす原因になります。普段からストレッチを行い、筋肉を柔らかく保ってあげることで、予防することができます。
(※ストレッチ方法に関しては、過去に掲載されている太腿前(大腿四頭筋)ストレッチ、太腿裏(ハムストリング)ストレッチ、膝周りのストレッチをご参照ください。)
太腿前(大腿四頭筋)ストレッチ


太もものストレッチ:大腿四頭筋のストレッチ方法

太腿裏(ハムストリング)ストレッチ


太もも裏のストレッチ:ハムストリングスのストレッチ方法

膝周りのストレッチ


膝のストレッチ方法~膝の痛みや怪我の予防に役立つストレッチ方法~

②太腿・臀部周辺の筋膜リリース
筋膜は筋肉・臓器を包む繊維体で、これが固くなると(拘縮)、筋力自身の伸縮性も抑制してしまいます。この筋膜を緩めることで、筋力の柔軟性が回復するきっかけになります。

(※筋膜リリースに関しては、過去に掲載されている太腿周りの「太もも:フォームローラーを使った筋膜リリース」をご参照ください。)
太ももの筋膜リリース


筋膜リリース(筋膜はがし)の方法〜フォームローラーやテニスボールで筋膜ほぐし!

以下の股関節周りの「股関節の柔軟性を上げる運動」と「股関節を前後に緩める運動」の二つも太腿・臀部周辺の筋膜リリースに役立ちますので是非お試しください。

◆股関節の柔軟性を上げる運動

◆股関節を前後に緩める運動

③足にあったシューズを選ぶ。
足に合っていないシューズの使用は、無意識で足へ負担をかけます。その負担を軽減する為、本来とは違う動きをするようになり、その分疲労が溜まりやすくなる。
(※シューズ選びに関しては、過去に掲載されている「シューズの選び方」をご参照ください。)

シューズの選び方の正しい方法〜ランニング・ジョギングシューズの違い〜

④ウォームアップを行う。
身体・筋肉を温めて、関節の動きがスムーズにいくようにしてから走る。ウォーミングアップなしで走ることは、自転車のチェーンが錆びた状態で動かすような感覚と同じです。ウォーミングアップという油を指して、走り出すようにしましょう。少し反動を使うダイナミックストレッチ等が有効的です。
(※ダイナミックストレッチに関しては、過去に掲載されている「ダイナミックストレッチのやり方」をご参照ください。)

ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)を行うと何が起こるの??

他にも、走っているランニングコースの走る向きを逆にして走る、下り坂を出来るだけ避ける等も膝の負担や片側への過度な負荷を減らすことに繋がります。是非試してみてください!
膝の痛みをなくして、楽しいランニングライフを取り戻しましょう!!!

<著者プロフィール>

株式会社CORE N' CODE

California States of University, Northridge, B.S. 卒
株式会社CORE N’ CODE
『核心は頑張った者のみが解る暗号である。』

埼玉県を中心に活動をし、ストレングス・コンディショニングスペシャリストとして、
株式会社CORE N’ CODEのチーフトレーナーを務める。
サッカーをはじめ、多種目のスポーツ選手の怪我予防・リハビリ・トレーニング指導を行っている。クライアントはトップアスリートだけでなく、老若男女、人種問わず、全ての人々を対象に幅広く活動。最近ではアメリカのトレーニング器具とスポーツ関連のライセンスを輸入し、最先端の技術と知識を日本のスポーツ界に広げる活動も行っている。トレーナーの知識や技術はプロだけでなく、全ての人が受けることのできる恩恵である。Change the Value of Sportsを信念に、スポーツの浸透と普及を目標に日々精進中。